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    StarlightSzk

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    StarlightSzk

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    エトワールと高1女子コーチのシリーズ、切れっ端。コーチのお名前が出ます。コーチにすさまじく自我があるので、苦手なかたはスルー下さい。

    【⚠️創作コーチ】水沫流転の青春よ(閑話)このシリーズの設定です。
    https://poipiku.com/855740/3604054.html

    ここまでのおはなし(雑):
    コーチとノエルがワークスの解釈で揉めました。





    「ブラッディ・ヘル! あり得ない……おい、アキラ。オマエは」
    「俺はマイ・エンジェルとコーチ君、ふたりが納得する案に賛同するよ」
    「フン……」
    「そちらは庭園じゃないか。夜風に吹かれていくのかい?」
    「ついてくるなよ」
    「わかった。あまり遅くなって、身体を冷やさないようにしてくれよ」
    「ああ……わかっている」



    「オマエ……」
    「影宮君から、月光院君はこのお茶が好きだって聞いて」
    「きちんとした淹れ方をしただろうな」
    「紫藤君の教え方は完璧だったわ。多少、仰々しかったけれど」
    「……そうか。頂こう」
    「どうぞ」
    「オマエも飲むんだろう?」
    「月光院君が許すなら、ご相伴に預かります」
    「わかった、許す。だが代わりに用件を言え。手短にな」
    「月光院君の、さっきのワークスに抱いたイメージを聞きたい」
    「!」
    「さっきは碌に話を聞かずに私が喋りだしてしまったから。ごめんなさい」
    「…………僕の機嫌を取ろうとでも言うのか?」
    「違う。私は、月光院君のイメージを聞きたい。聞いて、その上でもう一度私のイメージを話したい」
    「ほう」
    「私は、ダンサーの意思は絶対だと思うの。コーチは指示を出したりイメージを伝えることは出来る。けれども、実際にワークスを踊ってダンキラをするのは貴方たちダンサーだわ。貴方たちの思いが籠もらないダンキラなんて、ダンキラじゃない」
    「…………」
    「…………聞かせて、月光院君。いいえ、ノエルくん」
    「っ……ああ、もう! その目をやめろ!」
    「えっ?」
    「さっきも思ったがなんなんだオマエは! そんなダンサー並にギラギラした視線をぶつけられたら、オマエをコーチだと思えなくなるだろう」
    「ええっ?!」
    「まったく…!自覚ナシか。いいだろう、心して聞け。その上でオマエの意見を聞くからな。それでいいか……サキ」
    「! ありがとう、ノエル君!!」




    「それじゃあ、おやすみなさい」
    「ああ。おやすみ」

    「……そんな顔をするくらい、僕が怖い?」
    「自覚があるなら口元だけで笑うのをよせ」
    「なんのことだかわからないよ」
    「アイツに対して、僕にオマエのような感情はない。何か思うところがあって踏み出せないなら」
    「残念だけど違うよ。そんなものじゃない」
    「そんなものだろう。僕にはオマエが嫉妬しているようにしか見えないぞ」
    「ノエル? 僕はエトワールの将来のために動いているだけだって何度言ったらわかるのかな」
    「…………」





    ***
    ノエルくんは蛍くんから聞いて、彼女が裏で抱えている事情を知っています。
    ノエルくん晶くんはふたりとも蛍くんの味方なんだけど、ノエルくんは技術的な意味合いでコーチに惚れ込んでいるので、まあ、こういうことも起きるかなと思いました。
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    StarlightSzk

    DONE【晶蛍】ほしあかりのワルツ
    22.3.10 9章配信2周年「#星空の下のふたり」
    「おやすみ」
    「おやすみなさい」
     瞼を閉じても、そこにもう闇はない。
     
     晶が『エトワール・キャッスル』などと呼んだ僕たちの拠点。そこには最低限の屋根しかない。故に三人が並んで寝転ぶと誰か一人はその恩恵に預かれない。雨が降った場合は別としても、星の輝きが降り注ぐなんて素敵じゃないかと晶が言ったために屋根が拡張されることはなかった。何よりあのとき僕たちは拠点を作り続けてくたくただった。だからこれ以上屋根が広がることもなかった。それだけの話だ。
     ともあれ、その屋根がない位置で寝る係が今日は僕だった。
     寝返りは最低限しか打てないが、方向を間違うと晶と鉢合わせる。晶は左にいるから右を向いて眠るんだと身体を硬くしていたものの、人間たるもの眠気とともに力が抜ける。そのうちに仰向けになり、そうしてついに左へと寝返りを打ってしまってから、ハッと気がついた。目を開ければあの主張がうるさい――見た目は整った顔が間近に広がってしまう。それはなんだか心臓が落ち着かなくなりそうで嫌だった。嫌でも数日前に言われたあれこれを思い出してしまうから。ああ、けれども彼だって寝返りを打っているかもしれない。その場合それは彼の愛しのマイ・エンジェルに向けられていることだろう。ノエルも大変なことだ。先程も「君を危険から守るために抱きしめて眠るよ!」なんて言い出して足蹴にされていたというのに。
    2023