【⚠️創作コーチ】水沫流転の青春よ(閑話)このシリーズの設定です。
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ここまでのおはなし(雑):
コーチとノエルがワークスの解釈で揉めました。
「ブラッディ・ヘル! あり得ない……おい、アキラ。オマエは」
「俺はマイ・エンジェルとコーチ君、ふたりが納得する案に賛同するよ」
「フン……」
「そちらは庭園じゃないか。夜風に吹かれていくのかい?」
「ついてくるなよ」
「わかった。あまり遅くなって、身体を冷やさないようにしてくれよ」
「ああ……わかっている」
「オマエ……」
「影宮君から、月光院君はこのお茶が好きだって聞いて」
「きちんとした淹れ方をしただろうな」
「紫藤君の教え方は完璧だったわ。多少、仰々しかったけれど」
「……そうか。頂こう」
「どうぞ」
「オマエも飲むんだろう?」
「月光院君が許すなら、ご相伴に預かります」
「わかった、許す。だが代わりに用件を言え。手短にな」
「月光院君の、さっきのワークスに抱いたイメージを聞きたい」
「!」
「さっきは碌に話を聞かずに私が喋りだしてしまったから。ごめんなさい」
「…………僕の機嫌を取ろうとでも言うのか?」
「違う。私は、月光院君のイメージを聞きたい。聞いて、その上でもう一度私のイメージを話したい」
「ほう」
「私は、ダンサーの意思は絶対だと思うの。コーチは指示を出したりイメージを伝えることは出来る。けれども、実際にワークスを踊ってダンキラをするのは貴方たちダンサーだわ。貴方たちの思いが籠もらないダンキラなんて、ダンキラじゃない」
「…………」
「…………聞かせて、月光院君。いいえ、ノエルくん」
「っ……ああ、もう! その目をやめろ!」
「えっ?」
「さっきも思ったがなんなんだオマエは! そんなダンサー並にギラギラした視線をぶつけられたら、オマエをコーチだと思えなくなるだろう」
「ええっ?!」
「まったく…!自覚ナシか。いいだろう、心して聞け。その上でオマエの意見を聞くからな。それでいいか……サキ」
「! ありがとう、ノエル君!!」
「それじゃあ、おやすみなさい」
「ああ。おやすみ」
「……そんな顔をするくらい、僕が怖い?」
「自覚があるなら口元だけで笑うのをよせ」
「なんのことだかわからないよ」
「アイツに対して、僕にオマエのような感情はない。何か思うところがあって踏み出せないなら」
「残念だけど違うよ。そんなものじゃない」
「そんなものだろう。僕にはオマエが嫉妬しているようにしか見えないぞ」
「ノエル? 僕はエトワールの将来のために動いているだけだって何度言ったらわかるのかな」
「…………」
***
ノエルくんは蛍くんから聞いて、彼女が裏で抱えている事情を知っています。
ノエルくん晶くんはふたりとも蛍くんの味方なんだけど、ノエルくんは技術的な意味合いでコーチに惚れ込んでいるので、まあ、こういうことも起きるかなと思いました。