「………………」
カチカチ、と無機質な空間に一定のリズムを保ちながら時計の音が響いている。部屋のカーテンは閉め切っていて、今が何時なのか分からない。ただ、唯一光が漏れているから昼なのか夜なのかだけは分かる。そんな中、瑞希は外の光が入らないベットの隅で三角座りをしていた。
「このアニメ……って、こんなにもつまらないものだったっけ……」
連続再生に設定しているから、エンドロールが流れている途中で次の話が始まる。これを数え切れないほど繰り返していた。
このアニメも最終回まで数えるくらいしかないのに、何が面白いのかが分からない。今観ているものも昔ハマっていたアニメ。
サブスクというものが無かった時に買ったDVDは、もう表面が色褪せるくらいずっと繰り返し見ていて、それほど面白いものだと証明できるはずなのに、今は嘘だと思うくらい全く何も感じない。
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