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    炉妻さとり

    @AM_10932

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    炉妻さとり

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    第一回 オスブラ版深夜の創作一本勝負
    お題より「いつもそばに」「アニバーサリー」お借りしました!

    13期ルーキーの入所から4年後の二人のお話。

    #オスブラ
    zebra
    #オスブラ版深夜の創作一本勝負

    8月1日『ブラッドさま、お疲れ様です。
    今日、そちらへ伺ってもよろしいですか?』
     ブラッドの私用のスマホへ唐突にオスカーからメッセージが来た。
     お前の家でもあるんだ、いつでも帰ってきてくれて構わない――そんな素っ気ない返事を送りそうになり、手を止める。
     13期ルーキー研修を終え、メンターを降りたブラッドはタワー外に部屋を借りて暮らしている。本当はオスカーと二人で住むはずの部屋だった。
     メジャーヒーローになったオスカーはメンターを続投し、エリオスタワー内の研修チーム用のドミトリーで共同生活を行っている。オスカーが二人の家を訪れるのは彼の休みの日のみ。14期研修の1年目はルーキー達との関係性構築を優先するために研修チームで休日を過ごすことも多かった。
     そんなオスカーが唐突に帰ってくると言うのだ。何かある。
     ブラッドはメッセージアプリを閉じ、スケジュールを確認した。今日は8月1日、木曜日。明日がどちらかの休日というわけではない。
     ――何か約束をしていたか? いや、そうならオスカーもそう言うはずだ。
     ――あるいは記念日? 二人の誕生日ではない。出会った日でも、交際を始めた日でもない。
     あらゆる可能性を精査してみたが、思い当たるものはなかった。これは本人に聞くしかなさそうだ。

     ◇

    「すみません、遅くなってしまいました……」
    「気にするな。おかえり、オスカー」
     日付が変わる数十分前、玄関でハグを交わす。走ってきたのか、オスカーの身体からほのかに汗のにおいがする。突然司令から仕事を振られたか、ルーキー達がケンカでもしたのか――1年前までブラッドにとっても日常だった、忙しくも充実した日々が少し懐かしくなる。
     リビングのソファーに並んで腰を下ろすと、待ちきれない様子のオスカーが口を開いた。
    「今日は絶対ここに帰ってくると決めていました」
    「すまない、オスカー……今日は何の日なんだ?」
    「4年前、俺とブラッドさまが一緒に暮らし始めた日です」
     アキラとウィルが入所した4年前の8月3日。その数日前、8月1日からブラッドとオスカーは研修チーム用のドミトリーで暮らし始めた。
    「覚えていたのか」
    「はい。ブラッドさまといつも一緒にいられるのかと思うととても嬉しくて――あの頃は毎日指折り数えていました」
     オスカーらしい。
     二人の間に落ちたブラッドの手にオスカーが手を重ねる。
    「研修が終わった今も、こうしてブラッドさまのお傍にいられることがとても嬉しいです」
     にこにこと無邪気な笑顔で好意を伝えてくるのは4年前も今もずっと変わらない。変わったのは二人の関係だ。
     黙り込んだブラッドの顔をオスカーがのぞき込む。その視線から逃げるように、ブラッドはオスカーの胸に顔をうずめた。
    「ブラッドさま?」
    「俺も、同じ気持ちだ……」
     そう伝えるのが精一杯だった。
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    mekemeke1226

    MAIKING潜入捜査ビリーくんのジェイビリ
    ここから先に進めないので一旦あげます
    書き上がる時はがっつり修正
    調査対象の好みのタイプ。金髪碧眼、幼顔なんて、髪色さえ変えればピッタリかもしれない。自分が幼顔なのはチョット、いや、あんまり認めたくはないけれど。カラースプレーで髪を黄金に彩って、ホテルのラウンジに居ても違和感がないスーツを纏う。あまり大人っぽくならないように、タイはシンプルなものではなく蝶ネクタイにした。最後にキスしたくなると話題のリップをつけて、対象者がいるバーに足を踏み入れる。
    潜入調査はよくするけれど、色仕掛けは久し振りだ。人間は欲で頭が馬鹿になると口が緩くなるから、色仕掛けはすごく簡単だしお金もかからない。ヒーローになる前はよくやっていたけれど、ジェイがトクベツになってからはなんだか触れられることが気持ち悪くなってしまって、あまりしたくなくなってはきたけれど。
    店内を見回して対象を確認して、ざっと頭の中で流れを組み立てる。入ってすぐいきなり近付くのは怪しまれるから、彼の座る席から3つ離れて座ることにしよう。
    協力をお願いしているバーテンダーさんが出してくれたノンアルコールのドリンクを飲んで、わざと聞こえるような声で嘘八百の情報を流す。パパに連れてきてもらったけど、先に帰っちゃ 2768