東の空から鳥の声。
朝陽に早起きな彼らに促されて、少し重たい瞼を持ち上げた。
「……ふぁあ」
大あくびを一回。
凝り固まった筋を伸ばしながら時計を確認した。
朝。早くも無く、遅くも無く。丁度良い時間と言える。今日は休みだし、焦る必要が無いのは最高だ。二度寝なんてしたらもっと最高だ。
「…………起きるかー」
程よく目が覚めたから二度寝ではなく身支度を選ぶ。こういった気分での選択も休みだからできること。
「起きたか?」
それでもぼんやりしていた頭に届く、耳に馴染んだ低い声。
顔に掛かって何も見えない髪をかきあげて、朝の挨拶を。
「もーにん。早起きだな」
「そうでも。珈琲いるか?」
「ナァイス。砂糖はナシで」
「了解」
身支度を終えているはずの恋人は今日も小汚い。
でもそれが可愛いんだから、今日も朝から最高だ。
リビングに消える消太を追いかけてベッドから降りる。で、リビングに向かう前に洗面所へ。
鏡に映る自分は寝ぐせもあるしぼんやりしてるし、髭はぼさぼさで、やっぱり瞼は腫れていて全然かっこよくない。
顔に冷水をぶっかけて目を覚ましながら、この瞼だけでもケアしたいなと思いつつ……人の体に散々痕を残してくれていて呑気に朝を満喫している男をベッドに引きずり込むのも楽しそうだと。
一応の肌ケアだけしてリビングへ狩りに行く。
今日は休みなんだ。
遅い二度寝くらい、やっても許されるだろう。