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    tokinoura488

    @tokinoura488

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    こちらではゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのリンク×ゼルダ(リンゼル)小説を書いております。
    便宜上裏垢を使用しているので表はこちらです。→https://twitter.com/kukukuroroooo

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    tokinoura488

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    以前、「#文字書きワードパレット」でお題をcacaoさんに選んでもらって書いたリンゼルSSです。
    ポイピクに文字もアップできるようになると聞いて、お試ししてみました。

    ##リンゼル

    【鈴・行く先・焦り】

     泉で熱心に祈る姫の背中からはいつも焦りを感じていた。太陽が沈んでようやく姫は祈りを終え岸へと上がった。
    「この世界の行く先は私の力の目覚めに掛かっているのです」
     背後の山々を見上げる姫の真摯なまなざしは、僅かに潤んでいた。
     安易な励ましも不確かな弁論も口にはできない。けれどリンクの中には漠然とした確信があった。この確信をどう伝えればいいのか分からない。厄災の予兆は高まっていて、姫の焦りも不安も手に取るように分かる。それでも姫と共に進んでいくことになんの迷いもなかった。
    「どこまでも姫について行きます」
     逸らさずまっすぐに見つめれば、碧水の如き瞳が揺らぐ。
    「リンクは……怖くないのですか?」
     問いに唇を開きかけたが、姫はすぐに半身を背けてしまった。
    「聞かなかったことにして下さい」
     俯いた細肩は震えていて、リンクの胸は槍を突き立てられたように痛んだ。何度も見てきた姫の中の不安と焦りに距離を保つことは難しく、身体は自然と半歩、姫に近づいていた。
    「俺は怖くありません」
     肩越しにそう言って背を向けた。水に濡れた白い肩の震えをこれ以上見てはならない気がして。
    「ありがとう、リンク」
     背中にひんやりとした手が添えられた。体温を奪われても民の為に祈るゼルダ姫。その姫の傍に仕えることが幸せなのだと、礼など必要ないのだと、リンクは言えずにただ首を横に振った。
    「戻りましょう。明日、また祈りを捧げます」
     絡んだ視線の先で、姫の声は鈴の如くリンと軽やかに鳴った。どれほどの気持ちで振り払おうとされているのだろう。リンクはぐっと拳を握り締めた。
    「着替えます……」
    「はい」
     傅いたリンクの前を仕切り布の純白の裾先がひらめいていく。
     だから祈る。この美しい人の前に明るい世界を見せて欲しいと。
     ――その為に、俺はいるんだ。
     岩の上に残った華奢な足跡。リンクはその跡に触れた。
     ――必ず、傍にいます。必ず。
     姫の足形に残った泉の雫。濡れた指腹を唇に押しつけた。それは身に刻んだ誓いだった――。
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