事の顛末を知るは 時間は巻き戻る。ハイラル王が何も無かったと報告を受けたその前に――。
ポトリと解いた紐が床に落ちた。その音で、ゼルダは我に返った。一気に頭のなかで言葉が弾けては消えていく。
これをリンクが?
いつも気が利きます。
でも、これをリンクが?
素敵なワンピースです。でも、下着……は。
どうして、私の好きなデザインを知っているのです……か?
いいえ、知るはずないです! だって見たことないですよね?
どこかで見られてました?
そ、そんな……まさか。
ゼルダはリンクが買ってきてくれた服と下着をぎゅっと抱きしめた。
「どうしましょう……私、きっと見られてしまったのです」
猫になってしまった時、ロイヤルブルーのドレスはそばになかった。だから、消えてしまったとばかり思っていたけれど、気が動転して気づかなかっただけだったとしたら。ゼルダの顔からみるみる血の気が引いた。
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