清牧log(なんでいるんだよ!!?)
清田は喚き散らしたくなるのをぐっと堪えて飲み込んだ。後ろ姿だけでもわかるに決まってる。
あの背中に憧れてずっと追いかけてきたのだから見間違えるはずなんてない。
世界でいちばん顔を合わせたくない人がほんの数メートル先でグラスを片手に元チームメイトらと談笑している。神様仏様に誓って断じて彼のことを嫌っているわけではない。ただ単に気まずいので勝手に自分が会いたくないってだけだ。
かつての自分ならばここで人目を憚ることなく大声をあげて逃げ出していただろうが、清田はすでに二十歳の誕生日を迎えているし年が明ければ地元の成人式にも参加する。
つまり立派なオトナなのだ。スマートかつ優雅に立ち回らなくてはならない。
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