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    ししとう

    @44toshishi

    支部にあげるほどきちんと書いてなくてTwitterにあげるには文字数が多い書きたいところだけ書いたものを投げる供養場。

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    ししとう

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    書きたいところだけ書いたやつ。

    #ドラロナ
    drarona

    「さて、君はどんな風に私を愛してくれるのかね?」
     そう言ってドラルクはベッドの上の大きなクッションに仰向けに身を投げ、両手を俺の方に伸ばす。
    「うるせー…見てろよ。」
     体重で押しつぶさないように気をつけながらドラルクに跨るように体を進めてそっとクラバットに手を伸ばす。
     シュルシュルという音。
     その音だけで喉がゴクリと鳴る。
    「んっふふ、かぁわいい。」
     ドラルクは楽しそうに目を細めて俺の髪を細い指で掻き混ぜる。
     ねぇ、もっと近づいて。と言われるままに距離を詰めれば、いい子、と額にキスをくれた。
    「手元が見えねぇ。」
     そう言ってまた少し距離をとって今度は小さなボタンに挑む。
    「ボタンくらいキスしながらでも外せるだろう。」
    「ちいせぇんだよ、お前のボタン。」
     そりゃあ俺だってキスがしたい。
     出来ればそのまま片手でなんかこう上手いことボタンが外せたらカッコイイだろうなとは思う。
    「……練習させろ。」
    「これは熱烈なお誘いだな。」
     なんだかんだと言い合いをしながらも、なんとかボタンを外し終える。
     はだけたシャツの胸元から手を入れ、そのまま肩へ。反対側の手で背中を支えながらシャツをするりと引き抜いた。
     トラウザーとやらのウエストボタンを外し、ファスナーをゆっくり下ろす。
     少し、手が震えた。
     余裕ぶっていたドラルクも静かになっていた。
     少し視線を逸らして口を引き結んでいる。
    「……どうした?」
    「いや…改めてこんな風に脱がされると案外恥ずかしいものだな、と。」
    「俺だって恥ずかしいわ。」
     俺の言葉にちらりと視線を寄越したドラルクと目が合う。
     何だか急に可笑しくなって、二人で笑ってしまった。
     ひとしきり笑った後するりとトラウザーを細い足から引き抜き、ん、と突き出された唇にそっとキスをする。
    「んっふふ、震えてる。まだ慣れないのかね。」
    「仕方ねーだろ…。」
     そう言いながらボクサーに手をかけると、おっと、それはまだダメ。と手でやんわりと制止された。
    「何でだよ。」
    「君、どうせここだけ弄ってればいいとか思ってるだろう?」
     その通り過ぎて返事がでない。
    「図星か。…まぁ愛し方など人それぞれだがな。」
     ドラルクの細い指が、するりと俺の首筋を撫でた。
    「私は君を、どんな風に愛してた?」
     その言葉に心臓が跳ねた。
     じわりじわりと体温が上がり、肌が汗でしっとりとする。
    「ほら、おいで。」
     伸ばされた細い腕。
     ──そうだ、ドラルクはいつもたくさん俺に触れる。
     伸ばされた腕の中に身を寄せて、そのまま薄い唇にキスをする。
     輪郭を確かめるように順に、額、まぶた、まなじり、こめかみ、頬、鼻先を唇で辿った。
    「……ねぇ。」
     薄く開いた唇の隙間から、舌先が覗いていた。
     ゴクリと一度唾を飲んでから、唇を塞いで自分の舌を絡めた。
     キスをしながら指先で耳の輪郭をなぞり、少し硬いところや耳朶をやわやわと揉む。
     体温が移るくらい触れた後、指先で首筋を辿り、鎖骨を通って肩、腕、そしてその先の指に、自分の指を絡めた。
    「……ね。」
     キスの合間の問いかけに、少し唇を離す。
    「何だよ?」
    「君は?脱がないのかね?」
    「俺がお前に触ってるんだし、脱がなくて良くねぇ?」
     至近距離で見つめてくる紅い瞳がまぶたの裏に隠れる。
     キスか?と思ったが、ドラルクは細い腕で俺の首を引き寄せて耳元で囁いた。
    「君と抱き合うのに、布越しなんて嫌だと言ったら?」
    「……!」
    「一緒に気持ちよくなりたいと言ったのは君だな?」
     確かにそうだ。
     いつもいつも俺ばっかり翻弄されてる気がして、俺ばっかり気持ちいい気がして。
     ドラルクは俺が気持ち良さそうなのを見るのが気持ちいいんだ、とか訳の分からないことを言うし、私もちゃんと気持ちいいよと言うけれど。
     俺は何も出来てない気がして。
     だから俺もドラルクに触れたり、なんか色々して、一緒に気持ちよくなりたいって言ったんだ。
    「それにね。」
    「何だよ。」
    「気持ちよくなるには視覚情報も大切なのだよ。」
    「あ?」
    「せっかくの造形美なんだ。見せつけずにどうする。」
    「そ…そんなにいいもんじゃねぇよ。」
     ドラルクは俺の顔がいいとよく言う。鍛えた体も美しいと。でも自分じゃよく分からない。
    「ほら、早く。」
     促されるままにTシャツを脱ぎ、部屋着のズボンを脱いだ。
     君も下着はそのままね。
     その言葉に頷いて、再び唇を重ねた。
     ドラルクは満足そうに細い指で俺の背を撫でた。
     正直に言うと、こんな風に触れられたら、すぐにわけわかんなくなってドラルクのいいようにされるんじゃないかって不安だった。
     肝心なところには触れられなくても、気持ち良くなるから。
     ここ、触って欲しい?なんて事まで言われるくらい。
     俺だって、そんな風に言わせてみたい。
     ──でも、どうやったらいいか分かんねぇ!
     とりあえず、死なないように抱きしめてみた。
     薄い体。
     触れるところはみな骨と皮だ。
    「んっふ、あったかぁい。」
    「…そりゃどうも。」
     どうせ子供みたいだとか腹の中で馬鹿にしてるんだろう。
     ──子供、か。そりゃそうだろうな。
     どうやったって200年なんていう時間は埋められない。
    「……。」
     視界に入った尖った耳。
     自分とは違うそれに喰らいついてみた。
     少し噛んで引っ張ってみる。
    「喰いちぎるなよ。」
     耳を食んだまま分かってるよと答え、今度は窪みに沿って舌を這わせてみた。
    「くすぐったい。」
    「うるせーよ。」
     反対側の耳を指で触りながら耳先を食む。
     耳裏、首筋に口付けて、首筋を下りていく。
    「……。」
     がぶり。
     軽く噛み付いてみる。
     ドラルクは時々こうして俺に歯型を付けるけど、歯型がつくほど俺が噛んだらこいつは死ぬんだろうな。
    「吸血鬼に噛み付くとは。」
     ドラルクが呆れたように笑う。
    「……。」
     無視してガジガジと死なない程度に歯を立てたけれど、うっすらと歯の後が数箇所残っただけだった。
     ドラルクが俺につけるような、何日も消えないような跡は付きそうもない。
     まぁ、付いたところで死んだらリセットされてしまうのだろうけれど。
     指でつまめそうな鎖骨。
     規則正しく並んだあばら骨。
     骨という骨を舌でたどっていく。
     ふと、骨のない部分の皮膚のやわらかさに気づいた。
     やわらかい皮膚に舌を押し付けると、思いの外ズブズブと沈んでいく。
     ──骨の裏側まで届きそうだな。
     そんなことを考えながら肋骨の一番下の骨の裏に舌を伸ばし、肋骨に歯を当てながら、舌を骨に沿って這わせていく。
     ──あぁそうだ。歯型がダメでももしかしたら。
     柔らかい皮膚に吸い付いてみる。
     そっと唇を離すが何の跡も付いてない。
     ──おかしいな。
     ドラルクはいつもこうやって俺に赤い跡を付ける。
     ──場所が悪かったか?
     ドラルクは他にどこに付けるっけ、と考えて、今度は鎖骨の窪みあたりに口付けて吸い上げる。
     ──何でザコのドラルクに出来て俺に出来ねぇんだ??
     もう一回、と唇を寄せた時、
    「……ねぇ?ロナルド君。」
     と、俺を呼ぶ声がした。
     しまった。こいつを気持ちよくさせなきゃダメなのに、違うことばっかりに気を取られてた!
    「わ…悪ぃ、えーと、その、今から!そう!今からが本番だから!」
    「いや、それはいいんだが、もしかして君…私に歯型とかキスマーク付けようとしてるのかね?」
    「……悪ぃかよ。俺だって、お前に、その、なんか印付けたかったっていうか…。」
     俺の言葉にドラルクがスナァ……と砂になる。
    「何で死ぬんだよ!そんなに嫌かよ!」
     ナスナスと再生したドラルクがはあぁぁ、と大きくため息をつく。
    「もう無理。交代。」
     ため息の大きさとドラルクのその言葉に視界が歪む。
    「何でだよ、俺、そんなにダメだったかよ?」
    「可愛すぎる。」
    「……へ?」
    「ほら、場所変わって。」
     ドラルクはそう言いながらぐいぐいと体を押してくる。
    「待てよ、俺まだ…」
    「これでもか?」
     ドラルクがぐい、と体を押し付けてきた。
    「え?かった…え?」
    「分かったら代われ。」
     ???と状況が理解できないままに入れ替わりベッドに寝転ぶ。
    「君、自分がどんな顔で私に触れてたか分かってないだろう。」
    「知らねーよ。見えねぇし。」
    「最っ高。」
     それだけ言ってドラルクは俺に深く深く口付けた。
     いつもよりも荒っぽくて長いキスに、すぐに頭がクラクラとしてきた。
    「はー……その顔も最高。」
     ちゅ、ちゅ、とキスがたくさん降ってくる。
     パンツのゴムに指を掛けながら放たれたドラルクの言葉に、腹の奥がズンっと疼く。
    「さぁ、今度は私の番だ。」
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