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    チンジャオロース

    ワンドロとか用

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    POIPOI 12

    ふたりぼっち ダンデがチャンピオンになって3年目。
    チャンピオン防衛戦を見事勝ち抜き笑顔を浮かべトロフィーを掲げていたあいつが控え室で一人うずくまって泣いているのを見つけた。
     先ほどまで笑顔を浮かべていた顔を歪ませ、爪が手のひらに食い込み突き刺さるほど強く強く握りしめて死にたいと、ひとりぼっちはいやだと、皆で強くなりたいのに自分は他人の夢を折ることしか出来ないと血を吐くように悲しみを吐き出すあいつに
    「それならオレがお前に負けないくらい強くなる。オレがお前と一緒にいてやる。今日からふたりぼっちなら、寂しくないだろ?」
    そういって涙をぬぐってやった。

     ライバルになって、ふたりぼっちの片割れになって……恋をしたのが5年目
    ひまわりのような笑顔が愛おしいと思った。
    一生ダンデと共にありたい。ふたりぼっちの片割れではなく恋人になれたらそう思うようになった。

     花を散らす嵐のように激しく、それでも枯れぬ恋がいつしか愛に変わっていったのは8年目。
    ダンデに勝って思いを告げる。そう立てた誓いは果たすこと無く10年目のあの日ダンデの頭から王冠が落ちた。

     そしてあの日。
    ダンデがチャンピオンではなくなった後からダンデはオレさまの前から姿を消した。

     ふたりぼっちの片割れが消えてしまえばひとりぼっちになってしまうのに。
    あいつ自身がいやだといったひとりぼっちに……
    なのにあいつはオレのまえから消えてしまった。
    「やっぱりオレさまが弱かったのがいけないのかな?」
    あの日ダンデと戦ったのがオレだったら?
    そもそもあの日ダンデを引き留められていたら?
    「いや、タラレバを言っても仕方ないだろ?しっかりしろよオレさま」
    そういって自分で自分の頬を叩く。
    うじうじしている暇はない。
    とにもかくにもダンデをまずは探しだそう。
    「ぜってぇ見つけ出すからなダンデ」
    そういってキバナは腰のホルダーに手を掛けたのだった。

    それからしばらくしてようやくみつけたあいつはオレの片割れではなくただの人みたいになっていた。
    バトルとはほぼ無縁の、オレの大事なダンデではないただの人に。
    そんなはずはない、あのダンデが。
    強さゆえに孤独になり、それでも強くなることを諦めきれないバトルジャンキーな、二人ボッチの片割れが。
    バトルがなくても生きていけるただの人のような姿で笑って生きていた。
     ショックだった。
    王と共に片割れまで俺は失ったのか
    オレだけバトルの世界に置き去りにするのか
    様々な思いが溢れてそれはいつしか怒りへ変わる。
    そんな事は許さない。許せないだから俺はあるかけに出ることにした。

    ネクスト→ゲームしようぜ



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    recommended works

    mort*

    DONEキバナ君に嫌われてるのでは…と悩むリーマンダンデ君と、素直になるのが恥ずかしい大人なりたてほやほやキバナ君のdnkb
    恋はもうすぐ始まる感じの二人。
    飼い主×ウサギパロ



    「ダンデさん、最近恋人が出来たってほんとですか?」

    思わぬ後輩からの質問に、ぱちくり、と瞬きを返すこと数秒。ダンデは数秒置いて口を開いてかぶりつこうとしていたサンドイッチに、ようやく噛み付いてシャクリ、と無駄に大きな音を立ててもぐついた。

    「…その話は誰から聞いたんだ?」
    「いや、別に誰かが言ってた訳じゃないですけど。社内でもっぱら噂ですよ。あれだけ帰れと言われても帰らなかったダンデさんが、ここの所定時で上がってるわ、挙句の果てに万年コンビニ飯だったのに急に手作りのランチボックス持ってきてたらそりゃ話題になるでしょ」
    「なるほど…」

    目を輝かせて好奇心を隠さずにダンデの返答を期待して見てくる後輩の青年からの追求に、ダンデは少し考えてから口を再度開いた。

    「半分当たって…半分不正解ってところだな」

    我ながら何とも判然としない微妙な返答だ。当然、目の前で好奇心を持って真実を追求したがる若者を納得させる理由になる筈も無く、後輩は更にダンデの言葉へと食いつきを見せた。

    「え?と言いますと?勿体ぶらずに教えてくださいよ〜」
    「…そんなに気になるか…?」
    「当 7911