ハッピークリスマス時はクリスマス一週間前。
人々の心が揺れ動き、愛が生まれれば呪いも
生まれ
呪いは集まれば形になり・・ということで
呪術高専の術師は大人も子供も関係なく
いつも以上に右へ左へと駆け回ってた。
それでも学生は優先的に校内に返されいつもの
一年生三人も食堂で遅くなった食事を
がっついていた。
「はーらーへーったーー」
「それだけ頬張りながらいうセリフでも
ないが同感だ。いくらでも食える」
「くっ、、、体重とか気にしない男ども
滅びろ」
といいつつも野薔薇も目についたものを
どんどん口に入れていく。
「食堂の飯もうまいけどもうすぐクリスマス
じゃん。
ケ◯タとか食べれるかなぁぁ・・・」
「鳥型の呪霊とか出たら焼いてみるか」
「いや俺たち、炎系ってないじゃん。
いや宿儺とか」
呪いの王がケ◯タとは何かに気を
取られてなかったら
俺をおいそれと使おうとするとは・・と
切れていたと思われる発言をしながら
生徒たちはクリスマスにしたいことを
ワイワイいいながら食を進めるのであった。
それを陰で聞いていたのは、丁度高専に報告に
きてた七海一級術師・・と、七海が来ると聞いて
自身の任務を超早で片付けてきた五条であった。
「わっかいねぇぇぇぇ。もう僕、あんなに
食べられない・・」
「あなたは元々甘いものしか食べないじゃないですか」
「そうそう。だから僕は今日甘いものを食べにね。
ここに極上の美味しいものがあると聞いて」
そっと、腰を引き寄せようとするのを
秒で払われるが
全く気にすることなく話を続ける。
「クリスマスねぇ。僕たちはまだしも若人たちには
せめて夜には帰してあげたいけどね」
「・・・・・」
「なんで無言なの」
「いや、あなたのことだから、クリスマスは
私と豪勢なディナーにホテルにと駄々こねそう
なのに、大人になったなーと」
「大丈夫、それ今日予約しておいたから」
「前言撤回します。私の都合を確認するという
成長を求めます」
「またまたーー、七海の気になってたワインの店
だよ予約なんていつでもできるけどさー。
なんてったってGLGだから。
でも当日その時間にいけるとはさすがの僕も
保証できないからね」
「・・・・・まあ、今日は早く終わったから
いきますけどね」
そうかあの◯◯年代のワインが味わえるのか・・
とデートよりも噂に聴く酒を飲みたくて報告書に
さっと目を通し不備がないのを確認して送信する。
「ねえねえ、いいこと思いついたんだけど」
「・・・なんですか」
「僕、ばあやから聞いたことあるけど普通の家は
クリスマスにサンタが来るんでしょ」
「色々つっこみどころがありますが、まあ一応
来ることなっています。っていうか
さすがのあなたも知ってるでしょうが」
「僕やりたい」
「・・はっ」
「いやーー、いつか七海との子ができたら絶対
やるつもりだったんだけどね。
なんか急にやってみたくなった」
「誰と誰の子ですか、性別をなんだと思ってるんですか、
いやそれよりサンタって何を」
「そりゃもちろん。寝てる隙にプレゼントを置く」
「・・・あの子達をいくつだと思ってるんですか」
「いやー、いくつになってもプレゼントは
嬉しいでしょう」
「そりゃまあそうですけども。だいたい彼らの年の子が欲しい物なんて私達にわかるんですか」
「それはワインでも飲みながらかんがえよ」
「はぁ・・」
なんだかんだで、子どもと五条には甘い七海は
つっこむのを諦め、なににしよーーとワクワクしながら目を輝かせては
『高校生』『男子』『欲しい物』で
検索しだした彼のスマホを覗き込みながら
駐車場に停めてある五条の車を目指すのだった。
あっというまに一週間という月日が流れ、
もうクリスマス・・・になって4時間は経った
明け方まだあと少しという時間に頭にサンタ帽子を
被った五条とトナカイカチューシャをつけた七海が立っていた。
「どうしてもこれをつけなき駄目ですか・・」
「だってミニスカサンタきてくれないかじゃん。
せっかくド◯キで買ったのに」
「当たり前です。はぁ・・」
包帯を目に巻き付けた大男がこんなのもってきたら
ハロウィンかなと店員が勘違いしそうだなと
大幅に労働時間をオーバーして疲れ切っている
脳みそで遠くを見ながら、歩くたびにずれてくる
カチューシャを戻しつつ、高専の寮に向かっていった。
~虎杖の場合~
「ほんとにこれでよかったんですかねぇ」
「だって、ケ◯タ食べたがってたし。
やっぱり男子高校生っていったら物より食い物じゃね」
仕事柄、気配を消すのは慣れてる二人はごく普通に
部屋に侵入し、ぐーぐー寝ている虎杖のそばに
ケ◯タ食べ放題のチケットをご丁寧に三人分そっとおく。
メリークリスマスというカードと共に。
その瞬間。
「ほほう。それがケ◯タってものか」
「「」」
一級と特級のレベルの気配を消すという術を物ともしない
両面宿儺が頬から急に口を出し喋りだす。
「こら、しっ」
「なんだ紙かこれは金になるのか」
「まあ、金券といえば金券ですが。これを渡すと時間内に
ケ◯タ・・揚げた鶏肉をたくさん食べれるのです」
「ふむ、鳥は好きだ。そこへ置いていけ」
「お前のためのじゃなくて、ゆーじのだけどな。
まあとりあえず今見たことは忘れろよな」
「ケケケ」
~伏黒の場合~
「そういえば、サンタしたいっていってましたが
伏黒くんが小さい頃はしなかったんですか」
「もちろん僕もさー、まだ若い身とはいえ一応
子供の夢つぶしたらだめだと思っていったんだけど。
帽子とかは用意できなかったけど一応欲しがってた
鞄を抱えてさ」
「ちゃんとしてるじゃないですか」
「うん、まあでもいい思い出じゃなくて。やりなおしたくて」
「はあ。あまり聞きたくない気がしますが何を」
「プレゼント抱えてる時に白犬に吠えられた。
そしてバレた。サンタは元々信じていなかったぽくは
あったけどさ。さすがにちょっと罪悪感」
「最強ともあろうものがなにしてるんですか」
「いやー、あのときいまより生徒いなかったし
あのくそじじいどもがコキ使いまくりやがって
僕もつかれててねー」
そんな昔話をしながら、そっと枕元に置くのは
かなり古びた本だ。
「それでいいんですかねぇ・・。いくら伏黒くんが
昔の式神について知りたがってたとはいえ」
「まあー、これでも五条家の当主しか入れない書庫から
探し出してきた愛ある品だよ」
「価値という面ではお金には替えれませんね」
「それにもっともっと強くなりたいっていってたからね」
そういいながら
今度は黒犬や他の式神には一切感じ取られることなく
そっと部屋を退室するのだった。
~野薔薇の場合~
「・・・・いくらなんでも女子高校生の部屋に
入るのはまずいでしょ」
「まあね。でも僕たちのしごとってなによ。
あと、僕の目。
プレゼントはそっと扉をあけてちょちょいのちょいと
いい感じのところにおける」
「じゃあ他の子のところには入る必要なかったんじゃ」
「いやだって、どうせならサンタぽくしたいじゃん」
「あなたのこだわりポイントがわかりませんが」
野薔薇の枕元にばっちり届けられた品物は・・
某ブランドもののクリスマスコフレだ。
とっくに予約は締め切っていたが五条家は当然の
如く外商が来るので余裕でかえたが、
五条家のご当主さまについに良きお人が・・
次からは女性用品もしっかり見繕っておかなればと
盛大な勘違いをさせていたのは本人の知るよしもなかった。
~五条と七海の場合~
「ふぅ。。パンダに、棘にマキ。これで終わり」
「パンダのよこにすでに他のプレゼントがありましたがやっぱりこれは」
「ヤガセンも大概甘いよね。パンダがいくつだと」
「あなたがいいますか」
たわいもないことをいいながら、もう日が明けかけている中
五条の家に向かって車はすすんでいく。
「あーあー、先週さきにしといたとはいえクリスマス
おわっちゃったねぇ」
「あなたのお楽しみのケーキはちゃんと帰りにとってきて
冷蔵庫にいれてありますよ。それに」
「それに」
「・・・・ほら」
スエット上の裾をちょっとめくるとそこには赤いビロードの生地と
白い綿の端がみえる。
それをちらっと横目でみるなり、キキーーーっと車は一瞬蛇行し
元にもどる。
「ばばばばばば、お、ぉ、ぉ、ぉ、ぉお前それきてたの
どおりでめずらしくダボタボしてる服きてると・・」
「下は短パンタイプですけどね」
ちょっとしたサプライズを仕掛けたいと思ったものの
スカートはさすがに無理だと買い直したが、
それをわざわざ買って着込んできたこの男も大概ぶっとんでいる。
半徹夜続きの7連勤務を終えた思考がそうさせたが
きっと休息をしっかりとったあと我に返り
絶望に陥るだろう。
「クリスマス最高ーーって、寝てるーー
煽るだけ煽ってそれ」
「ごじょ・・さん・・うるさいです、安全運転で
お願いします」
「あーはーいはい、サンタ改めトナカイ。
さんたの気が変わらないうちに家にかえりますー」
そうして昇ってきた日に照らされているビルの間を
ぎりぎりのスピードで駆け抜けるのであった。
終われ。