小学生の夏休み、半田は自由研究のための昆虫を探しに普段遊びに行かない公園へ遊びに来ていた。
日差しが強く、幼いダンピールの半田にとっては辛く公園についてすぐに木陰で座って休んでしまうくらいだった。
「だいじょうぶ?うごける?」
銀色の髪に赤い瞳、夜にしか活動できないはずの吸血鬼は真昼間の公園に現れて、半田桃の人生は大きく動き出した。
大丈夫かと聴きたくなるのはこちらだ、目の前にいるのは、本来であれば活動できないはずの吸血鬼だ。
けれど真昼間の半田自身が休んでしまう程の日差しが当たっているにも関わらずピンピンとしている。
「だいじょうぶだ、ちょっとやすめばらくになる」
「そっかー、じゃあオレもいっしょに、やすもうかな」
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