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    あきら

    怪文書量産型

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    あきら

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    ヌヴィフリ。
    添削前ですが良かったらどうぞ。続きはできたらあげます。

    #ヌヴィフリ
    NeuviFuri

    ヌヴィフリ 終わりよければ全て良し①それは任務を終えた、何でもない日のこと。パイモンは宙にフワフワと浮かびながら、旅人に話しかけた。
    「ふう、任務とはいえフォンテーヌでもヒルチャールの監視塔を壊すことになるなんてな。どうしてヒルチャールはどこにでも監視塔を作るんだろう?」
    「高いところが好きなんじゃないかな?」
    「だとしても、おいらと旅人がぱぱっとやっつけちゃうから意味ないのにな。ま、モラが貰えるからいっか!」
    「パイモンは何もしてないでしょ?」
    「お、おいらは旅人を応援したぞ!」
    「分かってるよ。ありがとう、パイモン」
    「へへっどういたしまして!」
     無邪気に笑うパイモンにつられ、旅人も頬を緩ませた。
     テイワット大陸で片割れを探す旅を始めて。五つ目の国であるフォンテーヌで『予言』を巡る騒動を解決した旅人は、冒険者協会から出された任務をこなしながら平穏な日々を過ごしていた。
    「――あれ、あそこに人だかりができてるぞ?行ってみるか?」
     パイモンが指差した方向には、華やかな衣装をまとった貴婦人達が店を囲うようにたむろしていた。
     中心には長い銀髪を青いリボンで結い、青を基調とした装束に身を包んだ男性がいる。男性は真剣な眼差しで陳列された品を見ていた。
     パイモンは男性を見ると驚いたように目を開き、声を上げた。
    「あれってヌヴィレットじゃないか?おーい、ヌヴィレットー!」
     パイモンが大きく手を振ると男性――ヌヴィレットは顔を上げ、フリルであしらわれた胸飾りを軽く整えた。
    「ふむ、旅人とパイモンか。久しいな」
    「おいらも久しぶりに会えて嬉しいぞ!でも、ヌヴィレットって忙しいんじゃないのか?こんなところでバッタリ会えるなんて思わなかったぞ」
    「ああ、今は昼休み中だ。用事を済ませたら仕事に戻る」  
    「相変わらず忙しいみたいだな。今日は何をしてるんだ?」
    「女性への贈り物を探している」
    「………んん?」
    「………え?」
    「女性への贈り物を探している」
    「い、いや聞こえなかったわけじゃないぞ。ええっと…?」 
     パイモンと動きが空中で静止した。旅人も、囲の女性達もピタリと動きを止めた。
    「ふむ……私は何か、おかしなことを言ってしまっただろうか?」
    「い、いやそんなことはないぞ?ただ…ええっと……その…」
     空中で手をジタバタさせたパイモンは、助けを求めるように横目でチラリと旅人を見た。旅人は少しの間思案すると、
    「贈り物って、もしかしてフリーナに?」
    「ああ。明日彼女を訪ねるのだが、手土産に何かを送ろうと思ってる」
    「へえ、何かちょっと意外だな。ヌヴィレットが公務以外でパレ・メルモニアを離れるなんて」
    「神の座を降りたとはいえ彼女もフォンテーヌの民に変わりはない。何より彼女の功績を鑑みれば、彼女が不当な扱いを受けていないか確認するのは当然のことだ」
    「そ、そんなに真面目な答え帰ってくるなんて思ってもみなかったぞ…。でも、要するにヌヴィレットはフリーナがちゃんと生活できてるか心配なんだな。それなら大丈夫だぞ!な、旅人!」
    「うん、フリーナはうまくやれてるよ」
    「ふむ、そうか」
     笑顔で答えるパイモンと旅人に対し、ヌヴィレットはほんの少し寂しそうに目を細めた。するとパイモンはさかさず声を張り上げた。 
    「でもフリーナもヌヴィレットが来てくれたら喜ぶと思うぞ!ああ見えてアイツは寂しがり屋なところがあるからな」
    「うん、フリーナもヌヴィレットに話したいことがあると思うよ」
    「うんうん、映画撮影に海灯祭!たくさんのことがあったからな!」
    「ふむ…では、それらの話も交えて彼女の近況を確認するとしよう」
     旅人とパイモンは顔を見合わせる。二人は全く同じ事を考えていたようで、軽く頷きながら笑い、
    「じゃあじゃあ、オイラ達もついていっていいか?アイツが今どうしているのか気になるし。そうだろ、旅人!」
    「うん、私もフリーナに会いたい」 
    「ああ、構わない。私一人で行くよりも、二人がいた方が彼女も緊張しないだろう」
    「緊張?」
     ヌヴィレットの言葉にパイモンは小さく首をかしげる。すると、ヌヴィレットは僅かに視線を下にずらした。
    「最近フリーナに避けられている気がするのだ」
    「フリーナがヌヴィレットを避けてる?うーん、そんな気はしないけど……どうしてそう思うんだ?」
    「先日フリーナがパレ・メルモニアを訪ねてきたのだが、私を見ると慌てた様子で帰ってしまったのだ」 
    「たまたま用事があって帰っちゃっただけじゃないのか?」
    「私も最初はそう思ったのだが――」 
    「なになに!?スクープの予感かしら!」
    「うわあ!?シャルロット!?いつからいたんだ!?」
     カシャッ!カメラを切る音に慌てて振り返ると、ニヤリと不敵な笑みを浮かべたシャルロットが立っていた。シャルロットはカメラを構えながらゆっくりと近づき、
    「お昼休みに来てみれば旅人がいるじゃない!それに最高審判官のヌヴィレット様まで!また何か面白いことがあったのね!?」
    「そういうんじゃないんだけど、実はヌヴィレットが――」     
    「パイモン!」
     旅人は慌ててパイモンを制止した。いくらスチームバード新聞が信頼できるメディアだとはいえ、人様(龍様?)のプライベートを勝手に喋るのはマズいだろう。
     パイモンもハッとしたように動きを止め、両手をバタバタさせながら慌てて言い訳を並べる。
    「え、えっと…オイラ達はえっと……たまたまヌヴィレットと会って…その――」
    「女性へのプレゼントを選んでいる」
    「ちょっ、ヌヴィレット!!?」
     パイモンが言い訳を考え終わる前に、ヌヴィレットが口を開いてしまった。
     シャルロットが固まること10秒。ゆっくりとシャルロットは口を動かし、
    「プレゼント?ヌヴィレット様が女性にプレゼント……?」
    「えっと…シャルロット…大丈夫か?」 
    「こ、こここれは特ダネよ!!ヌヴィレット様、ズバリ!そのお相手は!!!?」 
    「わー!わー!わー!」
     シャルロットは目をキラキラを輝かせながら取材モードに入った。懐から手帳を取り出すと、早速ヌヴィレットにインタビューを始めた。
     パイモンは大声を出して取材を妨害し、旅人はヌヴィレットの手を掴むと、
    「とりあえず、逃げよう!」
    「何故逃げるのか理由は分からないが、君がそう言うなら従おう」
     フォンテーヌ廷を旅人とパイモン、そしてヌヴィレットは勢いよく駆け出した。その背をシャルロットはカメラを向けながら追いかける。
     突然勃発した追いかけっこは、フォンテーヌ廷中の人々の目を引き、翌朝のニュースになったそうな。
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