❏設定❏
・二人とも成人済み
・同棲中
❏本文❏
類「ほら、東雲くん、あーん……」
彰人「おい……オレがにんじんを嫌いなことを知っておきながら、わざと食べさせようとしてくんじゃねえ……」
類「おやおや……つまり、東雲くんは、このにんじんを食べたくない、と……そう言いたいんだね? 東雲くんの相棒、青柳くんの期待を裏切ってしまうことになるけれど……本当にいいのかい?」
彰人「――……っ!」
~数分前~
彰人「おい、冬弥……なんだよ、これ……」
冬弥「にんじんだ」
彰人「それは、見れば分かる……なんで、にんじんをうちまで持ってきてんだって聞いてんだよ」
冬弥「彰人……俺達は、もう成人を迎えているんだぞ。俺が言おうとしていることは、すでに分かっているはずだ」
彰人「……」
冬弥「もちろん、彰人を一人にはしない。彰人の相棒として、俺も、苦手なイカを食べる努力をしてみる。だから……」
~現在~
彰人(あの、クソ真面目バカが……!)
類「ふふ……相変わらず、東雲くんは相棒の青柳くんには弱いみたいだね」
彰人「……」
類(東雲くんの恋人である僕としては、少し……いや、かなり妬けてしまうけれど……)
類「青柳くんのためにも……もちろん、東雲くん自身のためにも、ここは、僕が心を鬼にするしかないと思ったんだ」
彰人「いや、そんなわけ……絶対に、オレの反応を見て楽しんでるだけだろ、あんた……」
類「おやおや、心外だね……もちろん、その通りだよ」
彰人「おい」
類「それにしても、青柳くんは随分と大量のにんじんを、我が家に置いていったんだね……僕も、東雲くんも、にんじんは食べられないというのに……」