公式から新しいキャラクタープロフィールが発表されたので、ずっと放置していたネタの続きを書いて投稿することにしました。
彰人が二年生になっても身長が伸びなかったという内容で、司、類、冬弥の身長にも色々と言及していますが、新プロフの発表前に書いたものなので公式設定とは相違のある内容になっています。
❏設定❏
・司→3年生
・彰人→2年生
❏本文❏
類「司くん、ここ一年の間にぐんと身長が伸びたんじゃないのかい?」
司「よく気がついたな、類。実は昨年測った時より、五センチも伸びていたのだ」
類「ふふ、五センチも伸びていたら、誰だって気がつくと思うけどね」
司「そうなのか?」
司:冬弥に目配せをしながら問いかける
冬弥:類の言葉を肯定するようにこくりと頷く
冬弥「俺は一年の時からあまり伸びていないので、目線が近くなった気がするなと思っていました」
司「そうかそうか、お前達二人の身長を追い越す日も近いかもしれないな。なんせ、彰人の身長はすでに……」
冬弥「……! 司先輩、それくらいにしておいたほうが……」
彰人:不機嫌そうな顔で司を睨みつけている
司:冬弥の話が耳に入っていない様子で彰人に話しかける
司「彰人、残念ながらお前の身長は全く伸びなかったようだが……心配はするな、今年伸ばせばいいだけだ」
彰人「……チッ、少しは空気を読めよ」
司「む、なにか言ったか?」
彰人「なにも言ってないんで、しばらく黙っててもらえますか」
司「な! せ、先輩に対してなんだ、その口の利き方は!」
彰人「くだらねえ、付き合ってられるか……冬弥、練習に行くぞ」
冬弥「おい、彰人……」
彰人「なんだよ」
冬弥「いや、なんでもない……司先輩、神代先輩、失礼します」
彰人・冬弥:その場を去る
司「どうしたんだ、彰人のやつ……急に怒り出して」
類「司くんのせいじゃないかな?」
司「オ、オレのせいなのか!?」
類「司くんに悪気はなかったんだろうけど、東雲くんにとってはショックだったんじゃないかな、君に身長を抜かれたことが」
司「な、なぜだ! なぜオレに身長を抜かれたくらいで、彰人がショックを受けるんだ!?」
類「それは、ほら……東雲くんはいつも君を小馬鹿にしているし、身長に限らずどんなことでも君に優位に立たれるのが嫌なんだと思うよ?」
司「そ、それほどまでにオレのことを見下していたのか、あいつは……オレのほうがショックを受ける立場にあると思うのだが……」
類「慰め……は、逆効果だろうね。彼から許してもらえるまで、君のほうからはなにもしないほうがいいだろう」
司「だから、慰められるべきはオレのほうだと言っているんだ!」
~場面転換~
冬弥「彰人、なにも怒ることはないだろう」
彰人「うるせえ」
冬弥「そんなに気にしているのか、司先輩に身長を抜かれたことを」
彰人「これ以上その話はすんなって態度に出してること、気がついてんだろ」
冬弥「ああ、その上で聞いている」
彰人「……はあ、お前にだけは言うけどよ。あいつに優位に立たれると無性に腹が立つんだよな」
冬弥「彰人、あいつじゃない……司先輩だ」
彰人「あー、はいはい……オレは一年の時から全く身長が伸びてねえのに、なんで、あいつ……司先輩は五センチも伸びてんだよ、不公平だろ」
冬弥「俺も多少は伸びているし、神代先輩も何センチかは分からないが伸びていると思う。なぜ、司先輩だけがそんなに嫌なんだ?」
彰人「それは……」
冬弥「彰人は相手によって意地悪になる時があるが、とくに司先輩に対してはいじめっこのような振る舞いをすることがある」
彰人「あいつ……司先輩を見てると、無性にからかいたくなるんだよ……それか、関わり合いになりたくないかのどっちかのパターンだな……つーか、さりげなく人聞きの悪いことを言うんじゃねえ」
冬弥「それは、好きな子に意地悪をしたい……という心理じゃないか?」
彰人「好きな子、に……って、はあ!?」
冬弥「最近知った豆知識だ。小学生の男の子が好きな女の子に意地悪をして泣かせたりすることがあるらしい。彰人も同じなのではないか?」
彰人「ちょっと待て、なんで身長の話からそんな話まで飛躍すんだよ」
冬弥「なんとなくそう思っただけだ。それより、明日にでも司先輩に謝ったほうがいいと思うぞ」
彰人「……は? なんで、オレが……」
冬弥「彰人」
彰人「……」
彰人:冬弥の有無を言わせない態度に何も言えなくなるも、納得がいかない様子でしかめつらを浮かべる
~翌日~
司(オレが身長を追い越したことを、彰人が気にしていたとは思わなかった……やはり、謝るべきだろうか……だが、類が慰めは逆効果だと言っていたからな……)
司:考え事をしながら廊下を歩いていると、彰人が前方に立ち自分に視線を向けてきていることに気がつく
司「……! 彰人! 昨日は……」
彰人「ストップ」
司「……!?」
彰人「ここじゃ、あれなんで……空き教室までついてきてくれますか?」
司「……」
~空き教室~
司「こんな場所に連れてくるということは、人に聞かれたくない話でもあるのか?」
彰人「そんなところです」
司「オレもお前に話がある、昨日は……」
彰人「オレが悪かった」
司「……む?」
彰人「だから、オレが悪かったって言ったんだよ」
司「……お前が、そう言ったのか?」
彰人「他に誰がいるんだよ、オレとあんたしかいねえだろ」
司「そう、だな……オレとお前しかいないのだからな……しかし、彰人がオレに謝ってくるとは、近いうちに空から槍が降ってくるかもしれんな」
彰人「謝ったことを秒で後悔させてくれるなんて、さすが司先輩っすね」
司:茶化すような言葉を投げかけた途端に彰人に睨みつけられるも、意に介していない様子で真剣な表情を浮かべる
司「オレも彰人の気持ちを考えずに、無神経なことを言ってしまったと反省している」
彰人「……! あー、はいはい……そんじゃ、お互い様ってことで……」
彰人:照れたようにそっぽを向きながら、司からの謝罪に応える