悪魔と天使の運動会 本日快晴。まさに運動会日和である。
「レオー、無理ーとけるー」
……たった一人を除いて。この時期にしては、例年よりも暖かい……というよりは暑く、日差しも強い。後からくっつき虫状態の凪は、暑い、暑いと言いながらこちらに軽く体重をかけてくる。
そんなに暑いならくっつかなければいいのにと思いつつ、心地よい体温と重みに凪と一緒にいる感じがして口をつぐんだ。
お手製のレモネードを凪に渡しつつ、プログラムを確認する。今は一年生の大玉転がしが行われているので、あと二種目終わったら昼休みにはいる。俺も凪も午前の参加競技は終わっているのでのんびり観戦モードだ。
じゃれついてくる凪の手をそっと握り込みながら雑談をしていると、いつの間にか残りの競技も終わったらしく、昼休みのアナウンスがはいる。わらわらと生徒たちが校舎に戻るのを見送りながら「なぁぎ」と後に声をかける。
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