※夢でも腐でもいけます。お好きな相手でどうぞ。
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「ほら、待望のクレープですよ。」
宗像がこちらにクレープを向けている。クリームがたっぷりのっているそれは、正直一口で全てを食べ切れる量ではなかった。困惑したまま彼の顔を見ると、目が合った時にニコッと笑顔を飛ばしてきた。一体なんなんだ、と思っていたらクレープがどんどん自分に近づいてくる。止まりそうもない大量のクリームを目の前にし、咄嗟に口を開けた。
「これが所謂あーん、というものですよね。ふふ、初めてやりましたよ」
楽しそうな声を上げつつも、クレープを口元に押し込んでくることは変わらない。自分の口では処理できないクリームの量に溺れそうになる。
「ほら、もっと大きく口を開けなさい。クリームが零れてしまいますよ?」
彼の言う通り、口に入り切らないクリームはどんどん端に寄せられ、地面に落ちてしまいそうだった。道を汚さないよう精一杯口を開けて処理しようとするも、たくさんのクリームで口の中はこってりと甘く、吐き気がしそうだった。
こんな様子を見て、彼は楽しそうにこちらを見ている。うっすらと目元を細め、じぃっと品定めをするように顔を凝視される。口元は依然にっこりと笑っており、精一杯食べる姿に満足さを感じているようにも思えた。
漸くクリームを食べ切り、なんとか辺りがクリームまみれになることは防げたが、何故か彼は半分不満そうに、半分楽しんでいるように苦笑した。
「ふふ、あなたの食べっぷり、中々のものでしたよ。また食べに来ましょうね...♪」
そう言いつつ口元をハンカチで拭ってくれる彼はどこか楽しげで、本意は分からなかった。