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    crystal___etc

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    ⚠︎︎室長の夢 しあわせデート

    気づいたら長くなりました。書きたいところをどばっとかいたのでグダグダしているかもしれません。夢主さんのセリフは""で囲っております。

    宗像さんとデート「こんにちは、丁度私も来た所ですよ」
    時刻は13:00丁度。今日は紆余曲折あって職場の上司、もとい自分の王である宗像室長と午後からお出かけする事になった。まさか書類を提出した時の世間話がプライベートの外出に繋がるだなんて、この人の行動力には驚かされる。
    「今日は私用ですからね、そんなに気負わなくて大丈夫ですよ」
    そう言ってくれたのは嬉しかったが、つい癖で"室長"と呼んでしまう。それを聞いた彼は「今日は室長ではなく、宗像と呼んでくれませんか?」とお願いしてきた。
    しどろもどろに"宗像さん"と呼ぶと満足そうな顔を浮かべる。
    「では、行きましょうか」
    そう言って差し出された手に戸惑っていると、
    「ここは人が多いですからね、繋いでいた方がはぐれなくて済むでしょう」
    と言われて、照れくさくなりながら手を取った。

    「新しく出来たショッピングモールですか、思っていたより大きいですね」
    大きい入口が私達を迎えてくれた。そこを通って建物の中へと入ると、最初に目に入ったのは雑貨屋だった。宗像さんも気になったらしく、2人でカウンターに置かれた小物に目を輝かせる。
    「可愛らしい見た目ですね」
    宗像さんが手のひらサイズの陶器をひとつ手に取る。犬、猫、ねずみ、狼、ライオン等、動物がモチーフの箸置きだった。一つ一つが細かくて柄が丁寧だ。
    「なんだか、伏見くんと淡島くんに似ていませんか?」
    そう言って、ペンギンとリスの箸置きをこちらに見せる。
    どことなく表情が2人に似ていて、その可愛らしさから笑みが零れた。他に誰かいるかな、と自分も探してみると、ぱっちりしたカワウソの目、キリッとした上がり眉のセイウチ。この2匹が目に入った。なんとなく思い浮かんだのは、秋山と弁財の2人で、同じように宗像さんに見せると
    「あぁ、確かに。秋山くんと弁財くんみたいですね。いっそ全員選んでプレゼントしましょうか」
    といって財布を取り出した。きっと特務隊の皆は困惑するだろうな...と思いつつ、普段よりも楽しそうな様子に自分も嬉しくなった。


    「レトロな雰囲気が落ち着きますね」
    あの後、色んなお店を回っていたら小腹が空いたので小さな喫茶店に入ることにした。宗像さんはこういう所が好きなのだろうか。
    「とりあえず、私はコーヒーを頼むとしましょう。あなたは何にしますか?」
    色とりどりのフルーツやケーキの写真に迷ってしまう。宗像さんを待たせる訳には...と焦っていると「ゆっくり選んでください、メニューが豊富だと迷ってしまうのも当然ですから」と気を使わせてしまった。じっくりと悩み、旬のフルーツタルトとクリームソーダを頼んだ。
    数十分間他愛もない話をしていると、宗像さんのコーヒーと私の注文が運ばれてくる。旬のタルトにはブルーベリーがふんだんに使われていて、砂糖のコーティングがきらきらと輝いた。
    「美味しそうですね」
    コーヒーを1口飲んでから、私のタルトへと興味を示した宗像さん。さっきは気を使わせてしまった為、せっかくだからと"1口お裾分けしていいですか?"と提案する。
    「良いのですか?」
    そう聞き直してきた宗像さんにすぐさま"もちろんです"と返した。
    「....では、お言葉に甘えて」
    少し考える時間を経て、宗像さんが嬉しそうに微笑む。早速ひとつ切り分けて、備え付けのフォークを1本添えて出そうとしたのだが...何故か宗像さんは徐に自身の横髪を耳にかけて、小さく口を開ける。どうぞと言わんばかりにこちらを待っていた。これは、俗に言うあーんというやつではないだろうか。今更引き下がれなくなった私は、おずおずとフォークにタルトを乗っけて宗像さんの口元へと運んだ。一口が小さくてなんだか可愛らしい。
    もぐもぐとタルトを咀嚼して、こくりと彼の喉仏が動いた。
    「サクサクのタルト生地と、甘酸っぱいベリーの味が丁度いいですね、美味しかったです」
    そう言ってまた微笑む宗像さんに嬉しさを感じつつ、使ったフォークを見てなんとなく照れてしまう。
    手早く新しいものに替えて残りのタルトを少しづつ口に放り込んだ。

    喫茶店を後にして、残りの時間も色々なお店を周る。靴屋、文房具屋、眼鏡屋、お土産屋...どれも素敵だけれど、目に入ったのはアクセサリーメインの雑貨屋だった。流石に、宗像さんをここに付き合わせる訳には...
    「このお店が気になりますか?」
    ひょこりと私の後ろから顔を覗かせて、キラキラと輝くそれらを見つめる。綺麗ですね、なんて呟きながら。その様子におろおろしていると
    「私も一緒に見て良いですか?」とにこやかに言ってくれたので、2人で奥まで入った。
    メインはピアス、イヤリングが多く、指輪に至っては専用の場所がでかでかと取られていた。見るのが大変そうだと思い、目の前の髪留めやネックレスに目を移す。ふいに、宗像さんが青い髪留めを手に取った。
    「綺麗ですね、あなたに似合いそうだ」
    リボンの色が2色の青、丁度中心に三日月のジュエルがはめ込まれているピンだ。宗像さんは「少々、髪に触れても?」と聞き了承を得た後に、私の前髪へと髪留めを合わせる。
    「ほら、とても綺麗だ」
    そう言って鏡へと目配せをして、自分の姿を確認する。宗像さんに綺麗だと言われると、自信が持てる。"買おうかな..."と呟くと
    「あなたが纏う青は、きっとどれも素敵なのでしょうね。」
    と一押しされた。その言葉で、ついお財布の紐が緩んでしまった。結局それだけを買って、このお店は後にする。あんなことを言われてしまったから、買って直ぐに髪留めをつけると
    「ふむ、」と宗像さんは零す。
    "へ、変でしたか?"と質問すると。
    「いえ、」と言って眼鏡のブリッジをあげてから、優しい声色で伝えてくれた。
    「あなたが青を身につけていると、私を意識してくれている様で嬉しいと思いましてね。少々自惚れすぎでしょうか」
    さらりと出てきたその言葉に、恥ずかしさを感じてしまって目を逸らす。
    「おや、困らせてしまいましたか?ふふ、すみません」
    そう言って微笑んでくるのだから、この人はタチが悪い。

    「今日は付き合って頂きありがとうございました。中々に良い体験をさせて頂きましたよ」
    ショッピングモールを出た時には日が落ちて、すっかりあたりは暗くなっていた。
    丁寧にお礼を告げる宗像さんに"大した事はしていないです"とそのままの気持ちを口にした。
    「いえ、知っている事と、実際に見て触れる事は感覚が違いますからね」
    それでも感謝を述べる宗像さんに、なんだか申し訳なさを感じる。こちらだって、宗像さんと一緒にいることで沢山楽しい思い出ができたのだ。流石になにか私も返したい。
    その考えから、ひとついいアイデアを思いついた。"宗像さん、今日は本当に楽しかったんです、だから私からもお礼として宗像さんのお願いを叶えたいんです。ダメでしょうか"そんな事を言ってみると、ぱちぱちと瞬きをした後に
    いたずらっぽく笑った。
    「そこまで言うなら、1つ我儘を言っても良いですか?」
    こくこくと首を縦に振る。宗像さんがこつ、と足音を鳴らして私に近づいた。
    「本当は...貴方を返したくない」
    耳元に寄せられた口元から、色っぽい声色が響く。一瞬何が起こったか分からずに、身体が硬直した。
    「ふふ、顔が赤いですよ?」
    そう指摘されてから、漸く自分の熱さに気づいて、今すぐどこかの穴に入りたくなった。その様子を楽しそうに見つめながら、宗像さんは続ける。
    「ですが、今日は疲れているでしょうし、日も落ちきっています。何かあっては困りますから途中まで送っていきましょう」
    私の前ではなく、車道側へと並んでゆっくりと歩き出す。
    「また、一緒に出かけましょう、...その時にまた、ね?」
    近距離で食らったその綺麗な笑顔に、私は完全に惚れてしまった。
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