ネタがほしいんです!『ネタがほしいんです!』
「お兄ちゃん、何時になったら、KKさんとくっつくの?」
「……」
アジトのソファで寛いでいると、麻里に詰められる。真剣な顔をしている。
「そうですよ、何時くっつくんですか?」
麻里の背後から絵梨佳がやってくる。麻里の肩に手を置き、覗くように顔を出し、頷きながら同意している。リビングには暁人と麻里、絵梨佳しかいない。現在、三人以外の面々は出払っている。
「私たち、今、供給不足なの!だから、早くくっついて、ネタ供給して!」
「そうだ!そうだ‼」
「身内をネタに使おうとしない…」
麻里と絵梨佳は所謂腐女子だ。暁人自身、偏見はない、人の趣味をとやかく言うつもりもない。しかし、ネタに使おうとするのは別である。
1964