地獄の王特製♡特農ほわいとちょこれぇといつもより重い体を起こし、アダムはカーテンから窓から入り込む光をボーッと見つめた。今は午前の十時。つい三時間ほど前に部屋の主であるルシファーに叩き起され一度起きた。
「チャーリーが呼んでいる!今日は素敵な一日になるぞ!」
そんなの知ったことかと心の中でボヤきながら、ウキウキで部屋を出るルシファーを見送った。その後に二度寝をキメこんだのである。
つい先程までに思える夜の営み後とは思えないほどルシファーはピンピンしていた。後ろから強い腰使いでアダムを鳴かせ、真っ白のシーツに大きなシミを作った。その後後始末もさせられ、そのせいでアダムは今現在身体中が悲鳴をあげているが今に始まったことじゃない。
「うるせぇなぁ……こちとら寝不足なんだから寝かせてくれよ」
今日はなんだか外が騒がしい。くぁ、と大きな欠伸をしてベッドの下に捨てられていたバスローブを羽織り、窓に腰掛け下を見下ろす。
そこには地獄の民たちが何やら浮かれている様子だった。遠目からでも分かるくらいソワソワしている者たちがたくさんいる。それに祭りのように出店も出ていた。
「あ?今日って何かの祭典があったのか?」
傍にあった最近新しくした携帯で今日の日付を確認する。
「2月14日………あーー、バレンタインね」
かつて天国にいた頃にも、今と同じように街中がお祭り騒ぎだった。バレンタイン、地球独自のイベントで、想い人や家族、友人などにチョコや花束、メッセージカードなどを贈る日のことらしい。そんな清らかなイベントをこの地獄でもやるのか、と哀れんだ顔でアダムは笑った。
「どいつもこいつも浮かれやがって」
アダムは再度ベッドに寝転がり、傍にあったアヒルの玩具を壁に投げつけ再度眠りに入った。
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「今帰ったぞアダムー!」
バン!と勢いよく部屋のドアが開いたかと思えば、そこには出ていったときよりも顔をデレデレとさせ浮かれていたルシファーが帰ってきた。時刻は時計の針がそろそろ真上で揃う真夜中である。
「随分楽しんできたようだな?誰かさんのペットは大人しく飼い主の帰りを待ってたってのによ」
「ふふふ、なぁアダム。今日は何の日か知ってるか?ん?」
自慢したい、と顔に書かれたようなニヤケ面が近づいてきて、うっ、とアダムは顔を離す。
「バレンタインだろ。そんくらい私だって分かるっつの」
「おー!正解だ、よく分かったじゃないか!お利口さんでちゅねー♡」
ポンポンと頭を軽く叩かれる。鬱陶しくてその手をバシッと叩いた。
「やめろよキモいんだよ」
「なぁなぁアダムぅ、今日な?我が愛しの娘がな?」
でた、とアダムは顔を顰めた。ルシファーは娘が経営するハズビンホテルに行く度に、いつもこのような調子で戻ってきては娘のことをアダムに聞かせてくるのだ。それに今日はバレンタイン。いつもより話が長くなるぞ、とアダムは気が遠くなった。
「なんとチャーリーがな?私のために手作りチョコをプレゼントしてくれたんだ!それもメッセージカード付きで!本当に父親思いで可愛い子だ!」
チョコは食べてしまったのかメッセージカードだけをドヤ顔で見せてくるルシファーに適当な返事を返してやる。チラリと見るとそこには[いつもありがとう チャーリーより]と書かれていた。最近まで鬱病で娘とろくに連絡をとっていなかった奴とは思えねぇ、とアダムはため息を吐いた。
こんなのがしばらく続くとなると面倒なので、あえてアダムは話をそらそうとする。
「はっ、で?その自慢の娘のパパはこの私にも何かプレゼントを買ってきてくれたんだろうなあ?いっつも世話になってるからなぁ?お前のチンコが」
皮肉めいたことを告げるとルシファーはキョトンとした顔をした。まぁ分かってはいた。所詮何も用意していないことに。
「………あぁあるとも!ちゃんと用意してきたぞ?何せ今の私は機嫌がいい」
「最初の間からして今思いついたとしか思えねぇんだけど」
まぁまぁ、とルシファーは手をアダムの肩に置き、そのままアダムをベッドに腰掛けさせた。
「なんだよ、」
「あぁ、昨晩だけではまだ足りなかったようだ」
私もまだまだ現役だな、といつの間にか張り詰めた下半身のテントをアダムに見せつけた。
「っ、絶倫が」
「それはお前に言われたくないなぁ?」
ゴリっとアダムの額に硬いルシファーの性器が布越しに当たる。それだけで体が昨晩のことを思い出したかのように疼き始めた。
「ちゃんと上の口で“飲ませて”やるぞ?私の特濃ホワイトチョコレートをな♡」
「………変態オヤジめ」
若干引き気味になりながらも、アダムはルシファーに応えてボトムを引っ張り、日頃お世話になっているその性器を取り出した。
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「ッ♡んぐっ、ん♡ッぶ…♡」
舌を性器全体に絡めながら口に頬張り、ゆっくりとストロークをする。部屋にはアダムの苦しそうな声と決して心地いいとは言えない水音が響いた。
「はは、お前も随分と上手くなったものだな?」
スルリと上からアダムの頬を撫でる。するとアダムがボコッと性器の先端を頬から浮かせながら、ギロっと睨んできた。
今でこそ歯を立てないで頬と唇、舌を上手く使えるが、最初はデカすぎて顎が外れるだの、歯がどうしても当たってしまうだのゴタゴタだった。
「うる、へ…♡」
それが今は美味しそうにしゃぶっているのだから、本当に調教しがいがある。
「んぐっ♡ぅ、んっ♡♡はぁっ、ん…♡」
「ちゃんと玉の裏も舐めるんだぞ?っ、そうだ、いい子だ」
顔を少し移動させ睾玉に舌を這わせ、ジュッと吸い付く。そしてそのまま裏筋を舌先でなぞり、また口に咥えこんだ。
「んッ♡♡お、い…♡れかくひゅん、あ…♡」
「生理現象だ、仕方のないことだろう」
そろそろ限界に近いのか、一段階ルシファーの性器が口の中で大きくなる。射精前の汁もタラタラと垂れ、その度にアダムはコクリコクリと飲んだ。
「だがまぁ、そろそろだな」
スルリとルシファーの両手がアダムの頭部に固定される。そしてズルルッと腰を引いた。
「ん、っぅ、う?♡」
「歯を立てるんじゃない、ぞ!」
「んごッ゛ッ゛♡♡♡」
ゴツンッと勢いよく喉奥を殴る勢いで強く腰を入れる。息苦しさにアダムは涙を零し、オェッと時々声を漏らした。
「んぐっ♡♡ぐ、っんぶっ♡♡ッ♡♡ッ♡おッ♡ぶっ、んんッ♡♡♡」
その行為に可哀想という考えは無い。ルシファーは思いのままに腰を前後に動かした。
「はは、バレンタインにはうってつけのプレゼントだなぁッ!?アダムよッ」
「んんううッ♡♡♡ご、っこひゅ♡♡ッ♡う゛ッ♡♡ぶっ♡♡♡」
苦しい、痛い、気持ち悪い。これら全ての感情がアダムを支配する。飲みきれなかった唾液や涙、鼻水で顔がぐちゃぐちゃにになる。目がギュルンと上を向き意識が朦朧としてきた。
「ほらっ、出すぞ!しっかり全部飲み込めッ、一滴も零すなよ…ッ」
グシャリとアダムの髪を強く掴み、最後に腰を強く押し付けると、ルシファーは喉奥に勢いよく精を放った。
「〜〜ッ゛♡♡ぉ、ぉ…ッ♡ぉ、ッ♡♡」
「くっ、ふーっ…はぁ、っ」
射精の快楽に酔いしれたルシファーは、息を荒らげながらアダムを見下ろす。しばらくして満足したのかズルズルと口から性器を抜いた。その瞬間アダムは出されたものが逆流し、吐き気を覚え、震える手を口に持っていくがその手をルシファーが阻止する。
「げほっ、…ッ♡ぁっ、ぐ…♡」
「吐くなよ?全部飲め。”ゴックン“だ、できるな?」
ニコッと笑いながら問いかける。しかしその笑顔はとても優しいなんてものじゃなかった。
「ッ…♡♡ん、っんぐっ♡ふ、っ♡げほっ♡はー、っぁ、あ…♡♡」
アダムは言われた通りに、口を閉じて頑張って数回に分け、喉仏を動かした。ゴクン、ゴクンと音がする。そして全て飲んだことを示すかのように、緩く口を開け、構内に何も残ってないことをルシファーに知らせた。
「よしよし、ちゃんとゴックンできたな。私の特製特濃ホワイトチョコレートはどうだったかな?」
「は、っはーッ♡♡ク、ソッ…♡し、ねッ♡♡♡」
「……そうか、おかわりするほど美味かったか!」
「は、っ♡おい、ま、て…♡♡」
ルシファーはアダムの言葉を聞かずに、ベッドに押し倒した。
「まだまだいっぱい残ってるからな♡ちゃんと味の感想を言うまで終わらんぞ?アダム」
「待っ、て…♡少、っ♡休ま、せ…♡」
「足を開けアダム、次は下の口だ」
今宵もアダムは眠れない。