鬼っ子の役目「んなぁボブち〜、アタシの歯ァ磨いてくれぇ。これじゃ歯ブラシ持てないからさぁ」
朝早くから両腕の肩から下を切断されて止血をされて包帯でグルグル巻になった自分を蜘蛛の巣がかかっている鏡越しに見つめる。切断されるのも慣れたものだ。今じゃデカい声はあげない。
「……手首が無いだけで頑張ればそれくらい持てるだろ」
くっちゃくっちゃと音を立てて食べやすいサイズに切られたドベリーナの両腕を食べているボブはため息をついた。
指先まで完全に回復する時間まであと少しだがドベリーナはムスッとしてボブを呼ぶ。
「持てねぇ。ほら、代わりに磨いてくれぇ」
早く、と急かす彼女にボブはふてふてぶてしいな、と思いながら重い腰をあげてドスドスと歩きながら洗面台に向かう。
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