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    ソーコ

    @soko_brakawani

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    ソーコ

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    フォロワーからのリクエストでした

    竜リョウ百合キス「弱くなった」と呟くと、目の前の男は鼻で笑った。その真意を問いただす前に唇が塞がれて、入り込んできた異物に背中が固まる。
    こんな触れ合いが初めてだということを分かっているはずなのに、手加減といったものは存在しなかった。口腔内の蹂躙。征服。果たしてこれは本来の気質なのか、それとも『誰か』に教わったものなのか、朦朧とした頭では判別つかなかった。
    自分の呻く声が増えてくると流石に気を遣ったのか、男——竜馬はようやく顔を離した。自室の照明を逆光にした彼の表情は薄暗く、やけにギラギラと輝く瞳が印象に残る。リョウマと言えばそんな彼にベッドへと押し倒されたままで、呼吸が整うのを待っていた。
    「ヘタクソ」
    「……記録にない」
    「言い訳になってねえぞ。知らねえ敵にはやられてもいいって言うつもりか?」
    お前は敵じゃない、だとか、そんな話はしていない、だとか、返事をする前に再び口付けられる。咄嗟に逃げようと引いた腰まで抱きかかえられて、行き場の無くなった両腕は何を思ったか竜馬の背に回される。密着した状態でやがて虚ろになる頭の中では、これまでに経験したことのない浮ついた感情が渦巻いていた。そして同時に、ここ数日自分の中を支配していた寂寥感が嘘のように消えていく。
    他人との触れ合い。これまでリョウマが経験したことのなかった行為の、最大級。自分からも舌を差し出してみれば、すぐに受け止められる。不器用な舌遣いだということは自覚していたが、それでも竜馬は笑わらなかった。彼が微笑んだ時は互いの足が絡んだ——つまりは互いに求めあったという証の——瞬間だけで、漏らす吐息は竜馬も熱い。真剣な眼差しは常にリョウマを射抜いているものだから視線を合わせられずに瞼を閉じた。
    「逃げんのか?」
    「受け入れただけだ」
    「戦えよ。寂しさ紛らわすならそれがちょうどいいってもんだ」
    「……ならば、負けても文句は言うなよ」
    学んだ。そうされたように腕を背中から腰へ回し、相手の身体を密着させる。胸先が擦れあうと互いの身体がうっすらと跳ねた。
    果たして自分がいつか宇宙の塵へと消えたとき、次に生まれる自分はこれをどう扱うのだろうか。
    出来れば活かす機会があればいいと願い、三度目の戦いが始まった。
    決着はまだつきそうにない。
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