朋友の咲み、花の春(後編) ポリポリとした歯ごたえに、舌鼓を打つ。
「うんめぇ~! ウッキキー!!」
やっぱ、煎りたての豆は最高だぜ!
「…………」
ん? 何だ、景勝?
いつも眉間にしわが寄っててゴツゴツした岩みてえな顔が、今、ほんのちょっとだけ動いた。
「……悟空、年は……?」
「ん? 年ぃ? 何だよ急に」
口の中で噛み砕いた豆を、一気に飲み込む。うん、うめえ。
「……節分には、年の数だけ豆を食う。そうして、一年の無病息災を願うのだ」
ひゅーっ、マジかよ!? 節分最高! 人間も、なかなか面白れぇこと考えんじゃねーの!
年の数、ねぇ……ちょーっと遊んでやっか! ウキキッ!
「ふぅ~ん……まあ、ちゃんと数えたことねーけど……軽く五百はいってるかなぁ~?」
1494