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    アルテ+ハイジョ×ポケモンのパロディの妄想。
    その2。
    幼い頃の神楽麗さんと都築圭さんの出会いについて。

    アルテとハイジョのポケモンパロ②20年以上前に遡る。
    音楽家一家の内孫である麗さんと、両親が離婚して母方に着いてきた都築さんが出会ってからのお話。



    とある音楽家の屋敷、窓を開け放った一室から聞こえてくる🎻の音色に誘われ、歳の割に上背があるのをいい事に、都築圭は音色の主に窓の外から声をかける。
    「っ!そのバイオリン、きみがひいていたのかい?」
    息を荒げながら声をかけてきた美少年(当時)に、🎻に集中していた麗さんは大げさにのけ反る。
    「これがなまがっきの音色なんだね。葉がしげるような、風がふきぬけるような、きみの音にぴったりだね」
    母子家庭で貧しかった為、楽器に触れる機会はいつもテレビやラジオ。
    初めて見たと、室内の🎹や🎻にはしゃぐ都築さんに、麗さんの警戒心も人見知りも不思議と緩んで。
    「すこし、ひいてみますか?」
    そうして、しばしば麗さんのお家におじゃましては、二人で音楽を奏で、語らう、そんな日々が始まった。
    推定7〜8歳の、幼い二人の出会い。



    「そういえば、都築さんはパートナー(ポケモン)を連れ歩いてはいませんが……まさか年下だったりします?(自分より背が高い人はみんな歳上に見える年頃)」
    (唐突な10歳からポケモントレーナーになれるアニポケ設定の輸入)
    「麗さんはもともと屋敷で飼っていたヨーテリーをパートナーにしたんだよね?麗さんに似て優しい子だよね。……僕の歳か……気にも留めたことがないから分からないなーーあぁ、でも。圭も来年からはトレーナーとして旅立てるけれど、麗さんがこの街にいる限りは、旅立つなんて考えもしないでしょうね……って母が言ってたような気もするよ」
    まさかの麗さんの方が一つ歳上(ただの癖)



    そうした日々も長くは続かず、都築さんのお母様が急逝。
    遠方のお祖父様の元に引き取られるかという話も持ち上がる。
    しかし、都築さんはそれを拒否。
    だが実際問題、子ども一人がこの先一人で生きていくには不便の方が大きい。
    祖父のことは尊敬しているし、母と過ごした家に執着があるわけでもない。
    執着があるとすればただ一つ、麗さんと過ごした心地よい時間だけ。
    都築さんはどうしても麗さんと離れることができなかった。
    麗さんにも寂しいけれど、お祖父様の元に行くのがいいとか言われる。
    察しの悪い麗さんに、都築さんは語る。
    「母はアルコールに溺れてはいたけれど、いつも僕のことを心配していたし、今日は何をしてきたの?って、体調がいい時は聞いてくれた。詰まるところ、僕は愛されていたんだと思う。けど、母はいつも寂しそうで、そんな母の愛を、僕は愛で返してあげられなかった。それよりも麗さん、君との語らいや音楽に夢中になってしまったんだ。そこに後悔はないよ。母からの愛は確かにあったかもしれない、けど、僕に生きる喜びや希望を与えてくれたのは他でもない麗さんだったから。君との時間と音楽が、幼い僕にはとても心地が良かった。酒気を帯びていて、時々涙も流していたようだった母の上面よりもずっと、君の澄んだ横顔のほうがよほど鮮明なんだ」
    だから君と奏で続けたいと。
    次の日には、お祖父様が迎えにくる予定だった。



    麗さんともお別れかな、最後にと会ってしまうと離れがたくなってしまうかな、と思っていると、夜逃げでもするのか?ってくらいの大荷物を抱えた麗さんが現れる。
    「都築さん!わたしと一緒に旅に出ましょう?」
    共に旅立てば離れる事も無い。好きな時に歌って、奏でて、二人で世界を広げようと。
    両親にも(ちょっと反対されたけど、世界を知る事は良い音楽にも繋がるからってゴリ押しした)了承を得た麗さん。
    まさか麗さんが自分の為に温室を飛び出してくるとは思わなかった都築さんは面食らうけど、戸惑う気持ちよりも先にその手を取りたいと思ってしまう。
    都築さんのお祖父様も、せっかく迎えに来たのになんて思うような人でもなく、モンスターボールとか持たせてくれる感じのお祖父様。
    自分の孫より麗さんの方がしっかりしてる事もすぐ見抜いて、圭をよろしくねって託してもくれる。
    「ポケモンの中には、歌や音楽が好きな子もたくさんいるみたいですよ」
    「それは楽しみだね。あぁ、いい旅になりそうだな♪」



    「君と一緒にいられる事はとても嬉しい。けれど、目的のない旅へ君を巻き込んでしまった訳だけど……麗さんはそれでよかったのかい?」
    「正直、温室育ちで世間知らずのわたしと、生活偏差値の低い都築さんとで旅をするのは不安で仕方ないのですが……君と奏で続けたいと告げたのにも関わらず、さよならと離れていったあなたの背中を見送る事がどうしてもできなかったんです。都築さんと別れてからわたしはすぐにバックパックを掘り出していました。地図上にポケモンセンターの位置を記して、野営についての本を買って、救急箱も用意してました。驚いたことに、無心だったんです。幸運にも、わたしも都築さんも、法的に旅が許される年齢ですし、旅をすれば都築さんと一緒にいられるって思ってしまったんでしょうか……わたしも、都築さんとずっと音楽を奏で続けたいみたいです」
    そうして、二人の旅編に舞台は移る(割愛する)



    「都築さん、都築さんはお母様のこと……」
    「君に伝えた通りだよ。母の愛は信じられるけど、僕を縛りつける未練にはならなかった。それよりも、彼女は今、天使になって、長い孤独からようやく解放されたんだ。もう二度と逢えないのは少し寂しいけれど、よかったねって安堵の方が大きいんだ」
    ※お母様のフォローも一応しとくね



    「あぁ、思い出した……記憶の中の母は眉を顰めて、ボサボサの長いブロンドを掻き乱していたんだけれど。僕が今日は麗さんとこんな曲を弾いた、歌ったって話すと、そんな時は目尻を下げて笑っていたな。麗さん、君は彼女にとっても福音だったのかもしれないね」
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