「工藤、いや、名探偵。」平「おまえ、高校ん頃は何しとったんや?」
快「ん?」
平「いや、オレは探偵しとったし……工藤も探偵やったしな。黒羽は普通の学校生活送ってたん?」
快「あ〜……そうだな。普通、だったな。」
新「オレらが特殊なんだよ。普通なら死体なんて程遠い年齢だろーが」
平「でも黒羽、昔の話全然してくれんやん。なんか嫌なこととか、隠したいこととかあるんかな〜……なんてな。」
新「確かに。黒羽も探偵だったりするかもしんねーと思うと気になる。」
快「そんなに気になるか〜?聞いて楽しい話じゃねーぞ。特に探偵さんには。」
平「なんやそれ、意味深な。」
新「まさか、犯罪者だったりして」
平「んなわけあるかいな、黒羽やぞ。犯罪なんて出来ひんに決まっとる」
新「でもちょっと気になる、黒羽の隠し事。」
快「じゃ〜教えてやってもいいけど……いつかは話さなきゃだと思ってたしな」
新「重い話なんだったら個別に話すか?黒羽がそれがいいならオレら合わせるけど。」
快「いや、大丈夫……だけど。服部、あんたが蚊帳の外になっちまうかもしれねーけど、いいか?」
平「なんや、話しづらいのはオレが居たからなんか?なら後から工藤から聞くし、遠慮せんでええよ、全然席外すで?」
快「面倒な話は1回でいいよ、他人から説明すると誤解で伝わるかもだし。だがお願いがある。今から話す内容、外部に漏らすなよ。信用してるからな」
新「探偵は漏らすなと言われた情報を漏らすことは絶対に有り得ない。そこは安心して、黒羽。」
快「ありがとう。服部もいいか?」
平「あぁ。」
快「んじゃ、本題…………工藤、いや、
「名探偵。」
「、?」
快「私は貴方と見たシンガポールの夜景も、ひまわりを共に守ったことも、飛行機の墜落を阻止したことも、私の鳩を助けてくれたことも……全て大事な思い出として記憶していますが、名探偵は……どう?ちゃんと覚えてくれてる?」
新「おま、その、モノクル……」
快「お守りとして持ってんだよ、いつもポッケに入れてる。」
平「黒羽、おまえ、」
快「おぉっとこれはこれは西の高校生探偵さん?あの時は……私にキスしようとしてきたときは、本当にびっくりしたんですよ〜?勘弁してください」
平「それはおまえが悪い」
快「急に冷静になるんじゃねーよ」
新「黒羽……?嘘だろ?」
快「ごめんな名探偵、ずっとオレのこと探してくれてたのに、」
新「……オレの近くにいたなら、教えてくれたら良かったじゃんか。心配してたんだぞ、急に消えちゃうから、殺されたのかと」
快「ほんとにごめん。実はあの後、組織に追われてたんだ。」
平「組織ぃ?」
快「あぁ、オレが探してた特別な宝石があってな、パンドラって言うんだけど。ちゃんと見つかって破壊も出来て、キッドは廃業になったわけだけど。」
平「……。」
快「親父を殺した組織からはずっと追われてたんだ。組織ってのは……パンドラを探してた組織。オレが破壊したから決着も着いたと思ってたけど、組織はオレのことも殺して欠片だけでも回収するつもりだったんだ。」
平「……くろば、キッドって言うべきなんか?困ってたら探偵のオレらに言ってくれたら良かったんに。」
快「わりーな。これだけはオレ1人で解決したかったんだよ。」
新「だからって、じゃあ今になって突然教えてくれんだよ。」
快「一応ひと段落着いたからだ。最近の組織はオレが国外逃亡したと思って異国を飛び回ってる。暫くは安全なんだ、そろそろ話さなきゃって思ってたし。」
新「もうなんだよ……勝手に心配かけて、責任取れ、黒羽」
快「まあ死んでねーし。でも、次危ないことあったら、あんたらに助けてもらうことにするよ」
平「オレはあんまり状況理解出来てへんけど……」
快「服部はオレに興味なかったしな。函館のときに調査したっきり。そのときに割と突き詰めてたみたいだがな。」
平「まさかキッドだったとはな」
快「一応バレてなくてよかったよ」