シンガポール3日目のKコ<注意>
重要→書き終わってない
シンガポール3日目…?ホテルでの2人!だけど、あのホテル使えたのだろうか……。
ちょっとだけ腐。付き合ってないけど、特別感はあるような。
「想花/Kis-My-Ft2」という曲をモチーフに書かせていただきました。
解説やまとめは最後に書いてます!
◆◇◆
暑苦しい真夏の夜。かけ布団を気持ち程度にかぶりつつ、右肩を伸ばしてスマホを手に取った。
[速報 シンガポール マリーナベイ周辺でテロ 首謀者は犯罪行動心理学者のレオン・ローと……]
[速報 またしてもシンガポールで怪盗キッドの目撃情報……]
[速報 中富海運の社長・中富禮次郎……]
外で鳴り響くパトカーのサイレン。繰り返し同じ映像が流れる消音のテレビ。決め手は黒幕の1人「レオン・ロー」の犯行動機……。胸糞悪い事件を解決したときはいつもこうだ。心がざわついて疲れているのに眠れない。生殺し状態だ。
それに今日は少し違くて。頭にこびり付いて離れないのは、「リシ・ラマラサン」の犯行動機をキッドが聞いたとき—―「父親の仇」だと知ったとき――そのとき、キッドの顔が少し歪んだ、そんな気がした。オレには誰かの仇であれ、自身の手を黒く染める行動を理解することは出来ないけれど、キッドなら理解できるんだろうか。ずっと嘘を魅せているような彼が、時折見せる寂しげな表情は、いつも本物に感じる。オレの探偵としてのアンテナがオレ自身にそう告げている。
「おい名探偵、眠れねーのか?テレビ、消しとこうか?」
部屋の奥で作業とやらをしていたキッドがいつの間にか、こちらの部屋に来ていたらしい。
「ああーそんなところ」
「って、スマホ見てるんならオレの仕事手伝ってくれよ……」
「仕事って?」
「キッドの衣装綺麗にするとか、次の獲物探したりだとか、他にも色々あんだぜ」
次の獲物探すの、オレが手伝っていいのかよ、なんて思いつつも、どうせ寝れないんだし。
「まあいいよ、手伝ってやる」
「やったー!んじゃまずは、衣装のアイロンがけからお願いしてもいい?」
「おう、任せとけ」
◆◇◆
「っへ~え……マントの構造ってこうなってんだな」
「ここのボタンを押すと……ほら!ハンググライダーになるんだぜ」
「そうやってオレに手口明かしてっと、いつかマジでお縄になんぞ」
「そうだけど、ま、名探偵なら大丈夫だろ」
安心しきった目をしながらキッドは言う。
それに続けて、お客さんのこと信じなきゃ出来ねぇマジックもあんだよ、と。
「オレは客じゃねぇよ」
「マジシャンからしたら探偵も警察もお客さんだよ。まだまだオレは未熟なマジシャンだけどな」
「未熟ぅ?」
キッドが未熟なら、ほとんどのマジシャンはマジシャンの内にも入らないだろう。そもそも、キッドを超えるマジシャンなんて両手に収まるほど。もしかしたら片手で足りてしまうぐらいの人数しか居ないように思う。
「名探偵にも憧れの人っているだろ?ホームズとか。」
「そうだな。キッドにも憧れの人がいるってことか?」
「ご名答」
「キッドが尊敬する人物……アルセーヌ・ルパンとかか?」
「ルパンもすげぇけど……もっとすごい人がいるんだ」
「誰だよ」
「秘密」
キッドが尊敬する人物…おそらく大怪盗だとかマジシャンだろうけど、生憎その辺は詳しくないし、始めようとした推理に蓋をした。
「その人を超えるまでオレは真のマジシャンにはなれねえんだよ」
「じゃあそれがキッドの夢か」
「そういうことになるな」
シュウシュウと鳴るアイロン、砂埃で汚れが付いたマントの裾。洗っても完全に落ちなかった血の跡が痛々しいジャケット。思い出すと手が止まりそうになる。
キッドもこの衣装を見る度、この3日間のことを思い出さないといけないのだろうか。この衣装を見たら、あの犯行現場を思い出して、またキッドは笑顔を崩さなきゃならないのか。
同情じゃないし、何もかもを肯定する気はないけど、何か理不尽な気がする。
◆◇◆
色々言わせたかった台詞まとめ
・キッドがいつその衣装を捨てられるんだろってな
・キッドが本当の笑顔を見せてくれる時、オレは隣に居ないだろ
・キッドが悩んでること、それから解放されるとき、オメーはもう居ないんだろ
・名探偵がオレを捕まえたら、オレはこの姿でオメーの隣にいるけど?
・オレが放つ言葉がウソかもしれなくても、名探偵はこれ以上こっちに来ちゃだめだ
1つ何かの形が変化したら、変えたくないものまで一気に変わってしまう。怪盗さんが犯罪をやめることを願っているはずなのに、犯罪者じゃ無くなったら探偵は隣に居られないことに気づいてしまう。そういう感じのお話が書きたかったんだけど、語彙力ノックアウトで……。またちゃんと表現できるようになったら続きを書きます!
あと、ラストのオチはK様の「いつか絶対、迎えに行くから」の予定でした!