Nothing seek, nothing find 3シンヨコ吸血鬼退治組合に豪邸に幽霊が住み着いているかもしれない、おかげで土地が売れない、と言う奇妙な案件が舞い込んできた。
かもしれない、と言う理由で誰も姿を見たわけではないし、そもそも吸血鬼ならともかく幽霊と言うオカルトになると門外である。
「これは半田くんじゃないと無理だな」
マスターのカズサさんは、俺を選んだ。ダンピールの俺なら騒動の原因が吸血鬼なのかどうかだけはっきりさせることができる。俺の吸血鬼をかぎ分ける力は相手が高等吸血鬼なら町1つ分の範囲はカバーが出来、追跡能力としても優れている。俺は友達の依頼なら快く引き受けたが、簡単なことだろうからかぎ分けてくれと俺の能力を軽く見る人間は好きではなかった。
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