Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    Asahikawa_kamo

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 67

    Asahikawa_kamo

    ☆quiet follow

    続いたmcぱぺとカイヌシの話

    ##ぱぺの話

     ぼくはぱぺである。名前はまだないが、カイヌシはもちぱぺと呼ぶ。これは別に名前ではなく、ぼく以外にももちぱぺはたくさんいる。ぼくだけの名前はないが、カイヌシはぼくのことをもちぱぺと呼んでいる。
     今日のぼくはカイヌシを見送って家で留守番だ。この家にはたくさんのぱぺがいるが、カイヌシは気分で外に連れ歩くぱぺを変えている。今日はしゃちょぱぺがカイヌシと外に行ったようだった。まあきっとおみやげにおかしを買ってくるだろうから、それまでてきとうにすごすことにした。カイヌシのかくしたおかしを見つけたから、これを開けようと思う。カイヌシのものはぱぺのもの、ぱぺのものはぱぺのものである。
     ふくろをどうにかして開けて、つやっとしたチョコレートを食べているとカイヌシが帰ってきた。おっとまずい、たべているところを見つかるとおこられるのだ。べつにおこられても怖くはないが、めんどうではある。さっとにげていつもぼくがおかれているところに座っていると、開けられたチョコレートの袋を見てカイヌシが何かわめいているのがきこえた。そんなにおこって、たんきだなあと思っていると、かばんからぬけでてきたしゃちょぱぺが、いつもおかれているぼくのとなりまでやってきた。
     ふと、そとのにおいとはべつの、いいにおいがしゃちょぱぺからする。とてもおいしそうな、かぎなれたにおいの。

    「~~~~~~~~~~~!!」
    「うわどうしたもちぱぺ」
    「×〇△□~~~~!」
    「え? だからなに」

     ゆるせん。ここでいちばんの先輩はぼくだ。ということはたいへんえらいぱぺであるのもぼくのはずである。なのにカイヌシはしゃちょぱぺとラーメンをたべにいったのである。この! いちばん! えらいぱぺであるぼくを! さしおいてである! ぼくだってラーメンをたべたいというのに!!
     あまりものぼうきょだ。たいへんぼくはかなしい。いかんだ。腹がたったので、ぼくのおんじょうで残しておいてやっていたチョコレートはカイヌシの目の前でぜんぶたべてやった。もちろんおこられたが、そんなことは知ったこっちゃない。ぼくにラーメンをたべさせなかったカイヌシがわるいのだ。もうせいすべきはカイヌシのほうである。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Asahikawa_kamo

    DONE
    第四本目 加賀美ハヤト 「ホテルの最上階」 昔、まだライバーになる前の話をひとつ、話させてください。
     仕事の出張の折に、とある地方のビジネスホテルへ滞在したことがありまして。一泊二日程度の短いものだったんですが、いかんせん地方ということもあってホテルが少なかったようで、少し駅から離れたところに取っていただいたんですね。総務の方がせめてと最上階の部屋を抑えてくださって、チェックインしてエレベーターを降りると部屋が一部屋しかなかったんです。
     実際広くて綺麗ないいホテルでしたよ。眺めも良くて、よく手入れが行き届いているなと感じました。……ただ、少し不自然なところがいくつかありまして。
     まずひとつすぐに思ったのは、廊下の広さと部屋の広がり方がおかしいと感じたんです。私が当時泊まった部屋はエレベーターを出て真横に伸びた廊下の右突き当たりにありました。部屋の扉を開くと目の前に部屋があるわけですが、扉がある壁が扉に対して平行に伸びてるんですよね。四角形の面にある、と言えばいいでしょうか。扉の横の空間がへこんでいて、そこにまた部屋があるなら構造上理解出来るんですが、最上階はテラスなどもなかったので、不思議な形をしているなと思ったんです。
    1384

    recommended works