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    Asahikawa_kamo

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    Asahikawa_kamo

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    ざっくり落書きkgmnt

     不破湊は、バーチャルホストである。

    「……んあ? 社長、何やってんの?」
    「ん? 何がですか?」
    「それ」

     とある収録の休憩中、諸々の買い物と称して近くのコンビニまで出てきた不破は、ふと加賀美の手元を見て首を傾げる。それ、と形容して指を指したのは、加賀美が自らの親指を手のひらで握り込むようにして隠しているのを見たからだ。
     指の先へと視線を滑らせた加賀美は、ああと一つ理解を含んだ声を発してから、ゆるやかにもう一度瞬きをして顔を上げる。開いた瞼の奥は、二人が歩く通りの向こうへと続いていた。
     その視線を追い掛けた不破の見た先。いつも通りの街並みの中で異質に浮かぶ、一台の黒い車。長めにとられた後ろ側はリムジンにも似ていたが、それは高級車としての様相ではなく、どちらかと言えば。

    「不破さん、霊柩車を見たら親指を隠すみたいな話、聞いたことありません?」
    「なんそれ。知らんかも」
    「地域差ですかね。私は小さい頃言われたことがあるんですが」
    「あー……?」

     どうやら聞き覚えがないのだろう。不破はやはり首を傾げつつ声を間延びさせていた。くすくすと少し楽しそうに笑みを零した加賀美の前を、信号待ちのあけた黒塗りの霊柩車はゆっくりと走り去っていく。その後ろに、死した誰かを乗せて。
     行く先を見送るように後ろ姿を眺めていた不破の指は、握られないままだ。

    「……あまり、迷信は信じない方ですか?」
    「んあー、んんー……ハーフハーフ、みたいな?」
    「半々なんですね」
    「なんてーか、信じるのもあっけど……社長のそれはあんまりかな。あ、別に社長が信じてるのはいいと思ってるっすよ」
    「まあ人それぞれですし」
    「んー……」

     ちか、と切り替わった信号を見止めて、二人は歩き出す。またいつものように、何の変哲もなく。
     加賀美は親指を隠すし、不破は隠すことがない。ただそれだけの違いのはずだ。ただその間には深い深い溝があることを、おそらく加賀美は知る由もない。

     ──不破湊は、バーチャルホストである。
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    Replies from the creator

    Asahikawa_kamo

    DONE
    第四本目 加賀美ハヤト 「ホテルの最上階」 昔、まだライバーになる前の話をひとつ、話させてください。
     仕事の出張の折に、とある地方のビジネスホテルへ滞在したことがありまして。一泊二日程度の短いものだったんですが、いかんせん地方ということもあってホテルが少なかったようで、少し駅から離れたところに取っていただいたんですね。総務の方がせめてと最上階の部屋を抑えてくださって、チェックインしてエレベーターを降りると部屋が一部屋しかなかったんです。
     実際広くて綺麗ないいホテルでしたよ。眺めも良くて、よく手入れが行き届いているなと感じました。……ただ、少し不自然なところがいくつかありまして。
     まずひとつすぐに思ったのは、廊下の広さと部屋の広がり方がおかしいと感じたんです。私が当時泊まった部屋はエレベーターを出て真横に伸びた廊下の右突き当たりにありました。部屋の扉を開くと目の前に部屋があるわけですが、扉がある壁が扉に対して平行に伸びてるんですよね。四角形の面にある、と言えばいいでしょうか。扉の横の空間がへこんでいて、そこにまた部屋があるなら構造上理解出来るんですが、最上階はテラスなどもなかったので、不思議な形をしているなと思ったんです。
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    Asahikawa_kamo

    DONEオーマで医者やってるidと12歳で身体年齢が止まったmcと敬語が使える5歳kgmとわんぱく9歳fwの話。
    大遅刻ハロウィンネタです。あと家庭教師してるolvもいます。
    続きもので前作は支部( https://www.pixiv.net/novel/series/11342157 )にて。こちらも季節ものなのである程度溜まったら削除して支部に行く予定です。
    ハロウィンネタ「オリバーせんせー」
    「ん? どうしたの、不破くん」
    「これなに?」
    「これ?」

     何の変哲もない、秋の夜長を肌身で感じられるようになったある夕暮れ時のこと。いつものように甲斐田家では家庭教師兼甲斐田不在中の仮保護者として、オリバーが三人の子供たちの面倒を見ている最中だった。今日の勉強を途中でほっぽり出した後に休憩として少し席を外していた不破が、唐突に何かをオリバーの元へ持ってきたのである。
     これ、と称されたものにオリバーが視線を向けると、そこには小学生向けの本が開かれていた。以前、オリバーがいつも勉強を頑張っている不破と加賀美へと幾つか本を見繕って持ってきたことがあったのだが、どうやらその中の一冊であるようだ。桜魔皇国外の国々にしかない珍しいお祭りをかわいらしい絵や写真でまとめたその本の見開きには、とある国で丁度この時期に行われているひとつのイベントについて描かれてあった。
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