tie「バルバロス、その格好で行くつもりか?」
シャスティルはいつものように幼なじみのバルバロスと一緒に登校すべく、バルバロスが一人暮らしをしているアパートまで迎えに来ていた。玄関に姿を現した彼の全身を確認して問いかける。
「あん? なんか文句あんのかよ」
「今日は身だしなみ検査のある日だろう。ネクタイをしていないじゃないか」
シャスティルの指摘にバルバロスは己の胸元に視線を落とす。
「あー、別にいいだろ」
「よくはないだろう。後で呼びだされるぞ」
「んなもんサボる」
「それはダメだ。先生に迷惑をかけるのは良くない」
まっすぐにバルバロスを見つめて言うシャスティル。バルバロスは小さく舌打ちする。
「わかったっつーの。すりゃあいいんだろ」
1908