画面に映し出されたのは真っ白な部屋。そこに6本のマイクが並んでいる。そのうちの1本はハンドマイクだ。
画面の外から男たちが歩いてくる。マイクの前に立つと、ヘッドホンを取って耳につけた。そして各々マイクに向かって声を出す。
「どうだ、伊佐。問題ないか」
「おっけーよ〜」
「うわー、どうしよう。すごく緊張する!!」
「はぁ、気が重い」
「まぁまぁ、楽しみましょうよ」
「おい」
黒髪の男が声をかけると、赤髪の男が一つ頷き音叉を肘に叩きつけた。それを耳に当て声を出すと、他の男たちも声を出し音を合わせていく。音が消え、全員で目を合わせる。
VadLip
THE FIRST TAKE