体臭改善「お前、香水何かつけてるか」
唐突にそう訊ねられた。
たまの休日をゲーム三昧で満喫していたところ、アポも無く現れた訪問者。
眼帯をつけ、幽霊面をさらした男……クローバー。
なぜこいつがここに来る。
特に親しい訳でも無いのに。
「香水?そんなものつけとらん」
「嘘つくな絶対付けてるだろうが」
「つけとらんと言っとろうが」
「じゃあ何でそんないい匂いしやがる」
「はあ?」
なにか気持ち悪い事を言い始めた。
何だこいつ。セクハラのつもりか?
見事に鳥肌を立たせてくれるものだ。くたばれ。
「お前こそくたばれ」
「何も言ってなかろうが」
「全部口に出てた。いやもうそれはどうでもいい。お前何でそんないい匂いするのか教えろ。教えてくれ頼む」
「……、……何だと言うんじゃ急に。一旦事情を話せ。聞いたるから」
要約すると、こういう事だという。
老若男女問わず、周りからよく「カビ臭い」と称される。
あまりにも言われるものでだんだん気になってきたから、体臭改善したいと。
「ええじゃろ別に、そのままで」
「ダメだ」
「ありのままでいろ。おまえさんの心のエルサが応援しとるよ」
「無理だ。今にも劣等感という立派な寺社仏閣が建ちそうだからなァ」
「……。わしにどうせよと?」
「とりあえずシャンプーを貸せ。お前なに使ってる」
「メリッサ」
「切り裂いてやろうか」