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    sal_tarutaru

    @sal_tarutaru

    妄想や小話を投げとく用。
    今は仗露に夢中。

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    sal_tarutaru

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    #仗露道場
    2/4 お題Ex「星」
    すけくん成人済です

    この恋を自覚したとき、まるで夜空に浮かぶ星を手に入れるような話だと思った。
    つまり、何をどうしたって不可能。手に入るはずがないってこと。
    胸の奥に押し込めたぼくの不毛な恋心をそんな風に例えて、その相手である仗助本人に話してしまったのは、酒に呑まれての完全な失敗だった。
    駅前でばったり会って、久しぶりじゃあないスか飲みに連れてってくださいよ〜なんて強引に引っ張ってこられた居酒屋。悪態をつきながらも振りほどけなかったのは、こいつのことが好きだからだ。久しぶりに顔を見れて、タダ酒目当てでも親しげに声をかけられて、嬉しいと思ってしまった。嬉しいけど、絶対叶わない想いを抱えたままこいつと一緒にいるのは苦しい。そんなぐちゃぐちゃな感情で安いアルコールを流し込んでいたら、ぼくは早々に出来上がってしまった。そんな時に「先生は好きな人とかいるの?」なんて聞かれたから、口が滑ったのだ。
    「本当にそうなんスかねェ〜?」
    唐揚げを咀嚼しながらとぼけた声を出す仗助を、ぼくはじろりと睨めつける。
    「なにが、」
    「不可能ってことはないんじゃあないスかね?ほら、流れ星みたいにこっちに落っこちてくるかもしれないっスよ」
    「はぁ?」
    何勝手なこと言ってんだ、こっちの気も知らないで。そう食ってかかる前に、仗助は素早く身を乗り出すとぼくの唇にキスをした。ガチャン、とテーブルの上でグラス同士がぶつかった音がしたけど、騒がしい店の中では誰にも聞こえていない。
    「ね、ひょっとしたらもう落ちてるかも」
    ぽかんとするぼくに、仗助はへへ、とはにかむみたいに笑う。その意味を、アルコールと驚きでうまく働かないぼくの頭が理解したとき、ぼくはようやく、その美しい星に手を伸ばすことができたのだった。


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