後ろのムムリクだぁれ 事の経緯を話すためには、まずは昨夜の回想まで遡らなくてはならない。
昨夜、私は珍しくスナフキンに今夜泊まっていくと誘われ、やったーと即答で喜びほいほいテントに泊まった。
その間、特になにか変わったことは起きなかったはずだ。いつも通り居心地よい甘い時間を過ごし、スナフキンの隣でぐっすりと眠った。
……以上が昨夜の回想である。いや、違う違う。惚気じゃない。お願い最後まで聞いて。
問題はここから、その翌日のことだ。
鳥のさえずりに目が覚めると、すでに隣に彼はいなかった。外で感じる気配に釣りの準備でもしているのかと起き上がり、欠伸を零してテントの幕に手を伸ばす。
「おはよう、コーヒー飲むけど一緒に……は」
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