SS色を失った世界で、私は独り佇む。
そこは真っ白で静寂だった。
地面は心地よいほど柔らかいのに、シミひとつない空間は、まるで病院のようで、心が落ち着かなかった。
ここは……。
私は誰かを待っていて、何かを探さなきゃならないはずだ。なのにボーッと突っ立ったままでいる。
時折、前を横切る影に手を伸ばす。一瞬触れた影が、音を立てて弾けた。
氷が崩れるような、キレイで澄んだ音色。
小さく瞬きすると、目の前には、愛しい娘がいた。
ヴィア──。
呟いた名前。
彼女には声が聞こえないのか、私を見つめることはない。薄い肩を震わせて涙を流している。
ヴィア!
抱きしめて、慰めたいと思うのに、身体は動かず、手もだらんとぶら下がるだけで、伸ばせない。
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