レックス先生とレヴィノス姉弟がたこ焼きを焼く話ラトリクスに行ってくると告げて出て行ったレックスが、ずっしりとした鉄板を抱えて帰ってきた。
荷物は重そうでありながら、鼻歌さえ聞こえてきそうな軽くご機嫌な足取りに、出迎えたアズリアは面倒事でなければよいなとため息を隠した。
「イスラ!アズリア!今日は皆でたこ焼き作ろう!」
意気揚々と掲げた鉄板には、ぽこぽこと小さな窪みが全面に広がっている。フライパンほどの大きさのそれはアズリアにとって未知すぎるものであった。
「たこ焼き!?家で作るの!?」
立ち上がったイスラは、物珍しげにレックスの周りをぐるぐる歩いて新しい道具を眺めている。こんなの使うんだ〜!と熱心な視線に、気を良くしたレックスは軽やかに解説を始めた。
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