Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    ゴジラ屋の山賊

    rong
    mkgroは傲慢大魔王でng大好き、ngsisrはroのことほんと~に好きだねと豪語している山賊です。
    ふたりの関係性が大好きです。
    話しかけられるとちっちゃい手のひらサイズになって応答します。

    (非固定の民です。)

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    ゴジラ屋の山賊

    ☆quiet follow

    甘やかしたい玲王と、待っていた凪の話

    すきな顔好きな顔

    「お前って本当にカワイイやつだよな」

    一瞬、馬鹿にされてるのかと思った。ソファに寝転がってダラダラしていたら玲王に見下され、言われた台詞がコレだったので、凪は「んにゃ?」と呑気に視線を上げた。

    「俺のことカワイイって言うの、ほんと玲王だけだと思う」
    「ンなことないだろ。俺が選んだやつがかわいくないわけがない」
    「モンペみたい……」
    「だったら凪を認めないやつは全員捻り潰してやらないとダメだな」

    くふくふ笑って、玲王は目を据わらせた。これは真剣なことを言う時の表情である。黙ってないと後が面倒で、凪はふぅんとうなずいた。
    物わかりの良さは凪の得意分野である。

    「で、カワイイの話」
    「カワイイ……」
    「ははっ。別に女子高生じゃあるまいし、カワイイ定義をしたいんじゃねーよ」

    玲王は指先を伸ばして、凪の前髪をくるくるいじりだす。花の茎を摘むみたいで、王子様がお姫様にプレゼントする場面を思わせる。

    「俺の声でふっと視線向けてくれるとことか」
    「ん」
    「ゲームしてんのに返事してくれんだ〜、とか」
    「まぁ」
    「あとちょっと眠いのかなって半目になってっとことか」
    「眠いしね……」
    「眠いのに俺のこと待っててたのか?」
    「待ってなーい……ってか玲王が戻ってくるって言ったんじゃん。今日は千切たちの方行かないの?」

    最近の玲王は、千切や別のストライカーと試合練習する機会が増えた。眠気に身を任せてゆっくりな口調になりながら、クエッションを問うてみる。

    「今日はな、約束してないし」
    「ふぅん」
    「でも約束してても今日は断ってた」
    「なんで?」
    「凪、拗ねてるから」
    「えっ」

    ここでスマホを胸板に落とした凪は、視線をそらせないまま硬直した。ぴし、と石化の擬音が聞こえるぐらい動かなくなっている凪に、玲王は心底愛おしいという顔をした。
    ギュッと眉を寄せて、歯を見せる笑みの仕方。気づいて、凪の胸は鷲掴みになった。

    「夜過ごせなくて悪い。……会いたかった?」

    ──玲王は、凪の恋人である。
    凪の好きな男。
    だから見つめられたらドキドキするし、触れてもらえるのかと思えば期待する。
    なのにココずっとお預けで態度も余裕ぶられて、凪の精神は穏やかではなかった。
    ……はずである。

    「ボス」
    「ん?」
    「……俺、ちゃんと待ってたよ」
    「えらいな、凪」
    「うん」
    「えらい」
    「あーそうじゃなくって」

    凪は大の字になって、白旗をあげた。

    「もっと甘やかして」
    「ん。なあぎ」

    声が上擦られる。これはどういう時だったか、凪は知っている。
    玲王の指先が、頬をすべった。

    「もっと、俺に身ぃ任せてれば良いよ」

    彼が恋人の顔をしている。
    やっと一等好きなやつが帰ってきて、凪は嬉しく甘やかされることにした。

    (切)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💘👏😭💖🇱🇴🇻🇪💞💞💞💞💞💞💘💕👏☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works