お姉様と弟様前略。カキツバタがハルトと同じくらいの年齢になってしまった。
「前略……じゃ、ないよ!!なにがあったの!?!?」
「まーまー落ち着けやキョーダイ」
「むしろ貴方が落ち着き過ぎなんですよ!!」
戸惑う仲間に対してバカな男が高くなった声と低くなった背でへらへらするので、あたしゼイユは頭を抱え弟のスグリは真っ青な顔のままオロオロする。
ただまあ今回ばかりはフワ男に非は無いので、あたしの方から説明した。
「実は、ブライア先生が科学部と協力して新しいアイテムを開発してて…………」
「あーもう大体察した」
「ブライア先生……」
あの暴走機関車研究者が、そのアイテムの試作品を『是非試しに使ってみてくれたまえ!!』とあたしの元へ持ち込んで、嫌々スイッチを押したらなんか暴走して。
偶々近くに居たスグリに効果が及びそうになったので、これまた偶然居合わせたカキツバタが咄嗟に庇って、結果こうだ。
「もーっあの人はまたなんてことを!!」
「流石にこれ、強火にマズいんじゃ……?」
「元の姿には戻れるのでしょうか?」
「それが暴走した衝撃でマシンがブッ壊れちまってよ」
「「「は!?!?」」」
「『どうにかする!!』って先生と科学部がけっぱってるとこ………」
「流石のブライア先生も慌ててたから、多分大丈夫よ」
「うーーーん……まあとにかく戻れる見込みはあるんだろうけど……」
ハルトがカキツバタの正面に立ち、自分と彼の頭のてっぺんに手を翳す。
「僕より背低いから、10歳くらいですかね?」
「どうだろねぃ。当時の身長なんざ憶えてねーし」
「それもそっか」
「でも10歳なら7、8歳くらい若返ってるってこと?」
「…………スグリに当たらなくて良かった」
「まあ確かにスグに当たってたら幼児になってたかもね」
「グッジョブですカキツバタ」
「なっ、い、良いことなんてねえべ!その、本当にごめんな、カキツバタ……俺がちゃんと避けてれば……」
「いやスグリくんは悪くないでしょう」
「10割ブライア先生が悪い」
「オイラも同意ー。そもそもオイラが勝手に突っ込んだだけだし?多分どうにかなるし、謝るこたねえよ」
当事者にして一番冷静なカキツバタも、勿論あたし達もスグリは悪くないと宥める。だって本当に悪くないし。落ち込むことなんてないわよ。
「それより元に戻るまでどうするかよ」
現在地は放課後のテラリウムドームサバンナエリア。このまま部室に戻っていいものか、それとも他の面々には隠し通すか。
あたしがそう持ち出したら、皆も深刻そうに考え込む。……カキツバタ以外。アンタも欠伸してないで真剣に考えなさいよ!
「ネリネは皆さんに伝え、部室にて待機すべきかと。緊急時に備える必要性を感じます」
「私も同意見です。カキツバタだし、別に知られて困ることも無いでしょう?」
「どうかなあ……ツバっさんってそこそこ厄介ファン居るよ?僕は黙ってた方がいいような……」
「うーん、確かに……先輩なら暫く姿見せなくても誤魔化せそうだし」
「ねーちゃんはどう思う?」
「そうねえ」
相談しながらふとカキツバタに視線を向ける。
それから「アンタはどうしたい」、と参考程度に訊こうとしたら、
丁度その身体がグラリと傾いていた。
「!?!?」
「コライドン!!!」
ハルトも気付いたようで、あたしとハルトの謎ポケモンが同時に支えた。ギリギリ地面には激突せずに済む。
「えっ、え!?」
「ど、どうしたの先輩!?大丈……!!」
「…………ぐぅ」
大慌てで駆け寄る皆は、顔を見合わせて。
「〜〜〜っ!!!コイツ〜〜〜!!!!」
「ねーちゃん!!」
「ゼイユ、落ち着いて」
「アギャスギャス!!」
ただ寝落ちただけだと理解したあたしは、言いようの無い怒りに任せてカキツバタの前髪を手加減しながら引っ張った。それでもバカは起きない。
なによコイツ!!心臓止まるかと思ったじゃない!!驚かせないでよね!!
タロとスグも溜め息を零していたところ、「いやいや」とハルトが神妙な顔付きで言う。
「幾ら眠かったからって、急に倒れるとか殆ど気絶だよ。ツバっさん大丈夫かな?」
「た、確かに」
「もしかして今の歳、あんまり元気じゃなかった時期だとか?」
「有り得る。とにかく医務室に運んだ方がよいかと」
「全く!!世話が焼けるわねえ!!」
「元々ねーちゃんと俺の所為……」
「スグは黙ってて!!」
「まあまあ」
運ぼうという話にはなったけれど、ポケモンに運ばせて校舎の廊下を進むのは目立ちそうだし迷惑になりそうということで、アカマツがカキツバタを担ぐことになった。
子供になってたのがある意味幸いで、カキツバタは軽々背負われる。ハルトがその服がずり落ちないよう支えて一応皆でなるべく姿を隠して、あたし達は医務室へと向かった。
「ブライア先生から伺っています。そちらのベッドをお使いください」
目的の部屋に到着すると、養護教諭にそう通されてミニカキツバタをベッドに下ろす。ブライア先生も回すべき気は回していたようだった。いやまあ全部の原因あの人だからお礼とか絶対言わないけど。助かったには助かった。
「ブライア先生がマシンの副作用が出る可能性もあると仰っていたので、一先ず安静にさせ」
「はあ!?なにそれあたし聞いてないんですけど!?」
「報連相…………」
「こんな身体になるようなアイテムなら、そりゃあっておかしくないけど。普通事前に伝えますよね?」
曰く、急に寝てしまったのはその副作用とやらなのかもしれないと。なら使う前かそうでなくともどっか行く前に教えなさいよ!なんなのあの人!!
……憤慨しながら、欠伸を零していたカキツバタをスルーした罪悪感が頭を擡げた。言わないコイツもアレだけど、もっとちゃんと気に掛けてあげるべきだったかも、と。
「とにかく、えと、」
「……どうする?」
「…………ネリネはリーグ部に行って参ります。やはり隠蔽するにも無理がある」
「私は……念の為、この年齢の時に怪我や病気をしてないかカキツバタの家族に確認して来ます。今こうなってるってバレたらげきりんでしょうから、なるべく隠して」
「オレはご飯作ってくるよ!」
「お、俺はアカマツの手伝いさする!」
「僕はブライア先生を締め上げに行きます。ついでに見張って進捗も確認しようかな」
「え?ちょっと待ちなさいよ、誰か一人くらいここに残るべき、」
「ゼイユが残って」
「お願いしますゼイユさん!」
「はあ!?なんであたしが!?」
手分けして動くのは賛成だけど、流れが意味不明過ぎる!!なんであたしが残んなきゃいけないの!?どう考えても仲の良いハルトかアカマツ辺りが適任でしょ!!
「いやあ僕達はさあ」
「あんまり怖がられてないというか」
「意味分かんない!!手ぇ出るよ!!」
「分からないまま手ぇ出すの良くないと思うべ」
「要するにですね」
「…………野次馬が来た場合、一番対処に適しているのはゼイユかと」
「やじうま」
……ネリネに告げられて全員纏めて引っ叩いてやろうかと思ったものの、確かに本当に面白半分で見に来るような輩が出た場合を考えると……あたしとネリネ以外はフワフワへにゃへにゃ過ぎて簡単には追い払えないだろう。
特にお子様の象徴みたいなアカマツとスグの二人。ハルトもポケモンの力に物言いそうで危なっかしい。タロも可愛いイメージが定着し過ぎだし、ネリネも生徒会長だけど繊細だから不向き。
…………認めるのは癪だけど!あたしが怖いみたいで腹立つけど!実際コイツらに任せるのはダメね!
「仕方ないわねえ。今回だけよ」
「ありがとうゼイユ!流石頼りになるなあ」
「フン、当然よ」
ハルトに頼りにされるのは悪い気がしない。カキツバタはいけ好かないけど、機嫌が上向いて多少はやる気になってきた。
「それじゃあお願いしますね!」
「ネリネも説明が終わり次第戻ります」
こうしてあたし以外の面々はバタバタ出て行き、あっという間に静かになった。
養護教諭も用事が出来たみたいで、「なにかあればいつでも呼んでください」と告げてから何処かへ消える。
いよいよこのちゃらんぽらんと二人きりね、とちょっと辟易しながらその寝顔を見る。今は子供になってるから当たり前と言えばそうだけれど、随分幼い顔で寝ていてちょっと腹が立つ。
「爆睡じゃないの。らしくない」
わざと音を立てて椅子に座り、プスっと丸い頬をつついても起きない。部室ではそこまで深く眠らないクセに。
……柔らかいほっぺをぷにぷにイジってやるのもそのうち飽きて、暇になったのでスマホロトムを取り出した。別にこんなシケた顔見続けても面白くないし、ブルレク写真の整理でもしましょう。
「んー、随分溜まってるわね」
スグが落ち着いてハルトや特別講師がよく来るようになって、仲間とブルレクに出掛けることも増えた。結果画像は溜まりに溜まっていて。
「………………止めた」
それでも、容量がかなり圧迫されてるのになんだか消すのが勿体無いように思えて、結局諦める。
だってあたしやネリネは今三年生で、卒業もそう遠くないし。……何処かの誰かさんとは違うのよ。
もう直いつでも撮れるものじゃなくなるんだし、ある程度は取っておかないと。
「それにしても暇ねえ」
早く誰か来ないかしら。
そう呟いた矢先、医務室のドアが開かれる音がした。
「カキツバタ先輩居ますかーっ!」
「ツバっさんがちっちゃくなったと噂で聞いて!!」
野次馬だった。
ノックもせずにまあよくも、と溜め息を零したら、カーテンが開かれる。
「わっ本当に小さい!!」
「寝てる!!可愛い!!」
「ほっぺたぷにぷにだあ……!!可愛過ぎ……!!」
「あ、ゼイユ先輩こんにちは」
「アンタ達ねえ……」
押し掛けては無遠慮に近づく生徒達に呆れて、シッシと追い払う。
「見せもんじゃないのよ。あんまりベタベタしない」
「えーっ!いいじゃないですか!」
「レアな姿なんですから記念に!写真とか!」
「なんの記念よ一体」
なにが良いのかカキツバタがそこそこ人気なのは知ってたけど。男女問わず可愛い可愛いとニコニコしてて。
「ツバっさーん起きてー!」
「んん…………」
しかも、あろうことかそのうちの一人がカキツバタを起こそうと揺さぶるので、ついソイツの頭を鷲掴んだ。
「うわあっ!?」
「無理矢理起こすな!!面白がるのは分かるけど!!」
「分かるんだ」
「でもマシンの副作用でなにが起こるか分かんないの!!そっとしておきなさい!!」
「……ゼイユがカキツバタを庇うの珍しいな」
「ねー」
「聞きなさいっつってんの!!手ぇ出るよ!?」
あたしもさっきちょっとぷにぷにしちゃったけど!揺さぶってまで叩き起こすのは違うわよ!!
怒ってもへらへら笑ってまあまあなんて宥めてくる能天気共何人かに制裁を与えてやった。
「なに……んー、うるさい………」
「あ」
「「「あ」」」
すると結局起きてしまったようで、カキツバタは目を擦りながら起き上がる。
「えーっと、ごめんなさいツバっさん」
「気分はどう、」
「おねーちゃんは…………?」
「「「へ???」」」
「は?」
ただ、目覚めたカキツバタは何処か様子が変だった。
一瞬寝惚けてるだけかと思ったけど、あたし達の顔を順に見て首を捻る。
「アンタら、だれ……?」
「え、ちょっ、あたしよ!ゼイユよ!忘れたの!?」
「ぜいゆ…………??」
これは、もしかして、
マシンの副作用。
その一つだと直感した瞬間、カキツバタの目が潤んで顔が歪んだ。
「うええん……!おねーちゃん……!おじーちゃん、どこ!?おにいちゃんたちだれ!?」
「え、えええ!?」
「えと、な、泣かないで先輩!!よしよし!!」
宥める間も無く大泣きしてしまって、途端にあたし含めた全員が慌てた。
「どうしようゼイユ先輩!!」
「どうしようもこうしようもアンタ達の所為よ!!早く泣き止ませなさい!!」
「そんなあ!!」
「カキツバタ、くん!大丈夫だから!お兄さん達変な人じゃないよ!」
「お菓子食べる!?」
「ええーん!!やだぁ!!」
「不審者の典型例みたいなやり方するな!!」
「ゼイユ先輩も怒鳴らないで!怯えちゃうから!」
皆が頭を撫でたりお菓子をあげたりしても、当然泣き止むわけもなく。
「ヤバい、このままだとチャンピオンに殺される!!なんとかしないと!!」
一人が「ハルトに殺される」と青褪め、あたし達も親友を泣かされて激怒するチャンピオンの姿が容易に想像出来て一層焦った。
「カキツバタくん!落ち着いて!ね!?」
「そうだ、ポケモン!ゼイユ先輩、ポケモンは!?」
「ナイスアイデア!!」
「アンタ達!ご主人が泣いてるわよ!出て来なさい!!」
そこで誰かが言い出して、あたしは近くに置いていたカキツバタのボールに呼び掛けた。
するとカイリューとオノノクスが現れ、カキツバタを覗き込む。
「…………!?かいりゅーに、おののくす……?」
驚きからかなにかを感じたからか、カキツバタはピタリと泣き止んだ。
「わっ」
そのまま擦り寄ってくる二匹に驚きつつ、恐る恐る撫でる。
ポケモン達は嬉しそうに鳴いた。
「へへ……擽ってえよお……、…………あれ?」
ドキドキハラハラしていれば、金色の目が瞬く。
「ゼイユ?え、いつの間にこんな人増えて……?えっ、何事???」
「………!!も、」
「『も』?」
「「「戻ったああ!!良かったあああ!!!」」」
「へ???」
中身だけは元のカキツバタに戻ったことに気付き、皆は安堵から崩れ落ちる。
一先ずハルトにぐちゃぐちゃにされずには済みそうね……
「戻ったって、え?戻ってねえよ???ほらまだ手ぇ小せえし……」
「可愛いいい!!!」
「握っていいですか!?」
「え、ヤダ……きしょ……」
「可愛いいーっ!!!」
「怖ぁ…………」
心底戸惑ってハテナを浮かべまくるカキツバタは、さっきのことは憶えていないらしい。本当に意味が分からないと言いたげだった。
……あたし達は互いを見て、言葉も無く『教えないであげておこう』と決め頷き合った。いけ好かない男相手とはいえ、流石にそこまで無情じゃないから。
「なに??マジでなに???」
「ツバっさん声可愛いですね」
「そりゃあ子供になってんだし高くも……じゃなくて」
「いいから寝ときなさい。安静にしとけって言われてるのよ」
「えーっ、マジで?……あれ?ていうかオイラいつ寝たっけ……?なんで医務室に……?」
「いいから寝る!!"ねむりごな"お見舞いするわよ!!」
「誰が!?」
「誰かが!!」
「丸投げ」
どっちにしてもこのまま起きてても遊ばれるだけだ。本人も分かってるようで、ベッドに横たわった。
「……人多過ぎて落ち着かねえでやんすよ」
「まあまあ」
「『まあまあ』じゃなくて。なにしに来たの?帰ってくんない?」
「まあまあ」
「だから『まあまあ』じゃなくて」
皆が嬉々としてカキツバタの相手をしてくれてるうちに、あたしはスマホロトムを見る。
ハルトからのメッセージが届いていた。
『例のマシンの修理進捗だけど、明日の昼頃には終わると思うって!それまで頑張ろう!』
明日の昼……まあ思ったよりは長引かないみたいね。
タロからも『当時に病気などはしてないようですから、普通に面倒見てあげれば問題無いかと!』『可愛いが足りないのでそろそろ戻りますね!』と連絡が来てた。可愛いが足りないから戻るってどういうことよ。あ、もしかして今のカキツバタのこと可愛い判定してる?
「カイリュー、コイツらどうにかしてくれぃ」
「わぁーっ!それは無しですよツバっさん!!」
「待って待って"しんそく"は待って!!」
「ほら、もう出て行きなさい!!見せ物じゃないって何度言わせる気!?」
兎にも角にもこれ以上居座られても面倒なので、タロが戻ってくる前にあたしとカイリューが野次馬を追い出した。
散々ぷにぷにされたカキツバタは深い溜め息を吐く。
「なーんか疲れたわ……寝る」
「アカマツがご飯作ってくれてるから、出来たら起こすわね」
「どーもー。おやすみー」
もういちいち疑問を言うのも疲れたようで、お子様はポケモンの手を握りながら瞼を下ろした。そう時間も経たずに寝息が聞こえる。
「…………それにしても、『おねーちゃん』ねえ」
頬杖をついてポツリと零す。このスットコドッコイに姉が居たとか知らなかった。しかも見知らぬ人間に囲まれた状況で真っ先に助けを求めるなんて。
おまけに『おねーちゃん』だとか、呼び方があざとい。多分シスコンの域に入ってそうなくらい仲は良いのだろう。『おじーちゃん』もまた然り。
……の割に、滅多に帰省してるところを見ないんだから、この男はよく分からないわ。どっかのタイミングで喧嘩でもしたのかしら?
「お子ちゃまねえ。喧嘩したならとっとと謝って仲直りすればいいのに。もしかしてアンタも反抗期?」
「んっ」
なんだかスグを思い出して苛々してきた。腹いせにカキツバタの頬を強めにつつく。カキツバタは眉間に皺を寄せた。
結構もちもちしてて触り心地良いのよねえ、子供の頬って。
「ゼイユさーん!戻りましたよ!」
「ネリネも帰還。トラブルはありませんでしたか?」
「あーおかえりー」
そこでタロとネリネが帰って来て、あたしはなに食わぬ顔で手を離し「大丈夫だったわよ」と大ボラを吹いた。野次馬が暫く居座ってたとかカキツバタが精神まで幼児退行して号泣したとか、色々あったけど別にタロ達に言う必要は無いでしょ。多分。
プライドとハルトに伝わる可能性を考慮して笑って見せたら、二人はホッと息を吐く。
「それにしても……はああ〜……!やっぱり小さいカキツバタ可愛過ぎですよ〜!」
「そう?どう見てもクソガキじゃない」
「ゼイユ。言葉を選ぶことを推奨」
まあとにかくなんやかんやその後来たリーグ部員やら先生やらは適度に相手をして、スグ達も戻って。
それ以上は何事も無く、本当に次の日の昼にマシンの修理が終わり、カキツバタは無事元に戻れた。タロや一部生徒は何故かちょっと名残惜しそうだったけど。
…………あたしは結局、カキツバタの姉については気になりつつも訊くことが叶わなかったのだった。