起きて真っ先に視界に映ったのはいつも目にする眠る恋人の姿ではなく、彼がいるべき場所に座った大きめのテディベア。その子の首には真っ白なマフラーが巻かれていて、そこに差し込まれているのは読めと言わんばかりに主張するメッセージカード。寝起きの鈍った思考のまま誘いに乗ってカードを手に取りゆっくりと目を通す。
『おはよう、浮奇。ひとりにしてごめんね。
今日一日付き合ってくれるって約束だから、これを読んでからは私の指示に従ってもらいます!
ちゃんと最後まで付き合ってね。
先ずは出かける準備をして、いつものカフェに行って朝食を楽しんで!
その後も色んな所に行ってもらうから、今日は歩きやすい靴でね。
くまちゃんの首に巻いてあるマフラーは、私からのプレゼント。あったかくして出かけてね。
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