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    setsuen98

    @setsuen98

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    setsuen98

    DONE🌊🔮♀。大学生×社会人。
    過去あげた大学生×社会人のシリーズですが、これだけでも読めます。ですが良ければそちらも読んでみてください。
     先週のデートの際スハがそわそわとしながら手渡してくれた箱の中に収まっていたのは、うっかり指を引っ掛けでもしたら千切れてしまいそうなほど華奢なシルバーチョーカー。
    チャームも何も無いシンプルなデザインながら、フリルのような繊細な動きのあるチェーンはそれだけで上品に存在感を放ち、どんな服装にもマッチするセンスの良い品だが、箱を開けて真っ先に浮かんだ言葉は「誰と選んだの?」だった。ファッションやアクセサリーにそれほど興味がないスハが選ぶとしたら、シンプルなものだとしても何かしらの石やモチーフがついた無難とも言えるネックレスを選ぶはず。彼が一人で選ぶには、デザインが洗練されすぎていた。
     流石にスハのセンスじゃないでしょ、なんてそのまま問うなんてことはせず、オブラートに包んで包んで、それはもう遠回しに訊けば大学の友人達と出かけた際ショップについて来てもらいアドバイスをもらったのだと言うが、「その時に教えてもらったんだけど、チョーカーって“傍にいてほしい”って意味があるんだって」と伏し目がちに照れながら口にしたスハに、そのメンバーの中に女がいたことを確信して問おうとした矢先に続けられた「あと、彼氏がいますって印になるって聞いて……着けてくれる…?」と、私よりも背が高いにも関わらず器用に上目遣いで見つめてくる年下彼氏の可愛さにやられて、もういいか、という気になってしまいイチャイチャタイムに突入した、というのがその時のハイライト。
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    setsuen98

    DONE🌊🔮。芸能人×メイクさんパロ。
    まだ付き合ってない二人です。
     大きな鏡に写る自分の顔を見れば、あまりに不格好な表情に苦笑が溢れる。無意識に眉間に力が入り平素に比べ険しい目元に反して、口元はスタンプを押したようにわずかに口角が上がったまま。デビュー当時から、基本的にいつでも笑顔で、と口酸っぱく言われ続けた教えに忠実に従う自分の表情筋が今は恨めしい。
     デビューしてから駆け抜けてきたこの数年、自分なりに努力を積み重ねてきたおかげか、歌だけではなくテレビ出演や演技など、様々な仕事をもらえるようになった。有難いことに熱心に推してくれるファンもつき、かつて夢見た姿に少しずつではあるが近づけている。それなのにどうにも自分は欲深いようで、同じ事務所の後輩たちがデビューするなり順調すぎるほどのスピードでテレビやステージなど華々しい活躍を見せる度、劣等感と羨望が溢れどうしようもない気持ちに苛まれ、手のひらに爪が食い込むほどに握りしめそうになるのを堪えてすごい!と手を打ち鳴らす。そんな自分の姿が滑稽で醜くて、後輩たちに合わせる顔もなくなって、思考が自己嫌悪で埋め尽くされる。そんな気鬱が続く時がたまにあり、今まさにそんな気持ちを抱えながら雑誌撮影のためにメイクルームに入れば鏡に映るのはこの様。思わず項垂れ、少しでも胸中がすっきりしないかと大きく長く息を吐く。
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    setsuen98

    MOURNING🦁👟みたいな何か。付き合ってません。
     ほぼ満席状態の店内。二人掛けのテーブルにルカと向かい合って座ってから、なんとも言えない無言の時間が過ぎていく。と言っても実際には大した時間は経っていないけど、黙り込んだまま相手が口火を切るのをただ待つ時間は何倍にも長く感じられる。だからと言って、いつもの快活とした姿とは異なり神妙な顔でテーブルを見つめるルカに「話って何?」なんて無遠慮に本題へ切り込むことなんて出来なくて、手持ち無沙汰にカップに口をつけブラックコーヒーをちびちびと啜るしか出来ず、日差しが降り注ぐ外をいい天気だなぁ…なんて現実逃避まがいに眺めていた。
     「シュウに相談したいことがある」と改まって連絡がきた時は、一体何事かと身構えてしまった。まさかルカの身に何か深刻な問題でも起きているのかと心配になり即座に了承の返信を打てば、カフェでお茶でもしながら聞いて欲しいとの思いのほかゆったりとした回答に、勝手な杞憂だったのかと胸を撫で下ろしたのが数日前のこと。ただ実際に顔を合わせてみるとこんな風に一切読めない様子で、大きな問題でないことを願う最中、突然ルカが顔を上げ僕の方を見つめたかと思えば、また直ぐに視線を落とし何度か口をモゴモゴとさせてようやく口を開いた。
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    DOODLE🔗🔮♀。付き合ってません。
    遊び人な🔗×遊びつかれた🔮♀
    続きは気が向いたら書くかもしれない。

    ⚠🔗がモブ女と絡んでます。
     行きつけのバーに行けばほぼ必ずと言っていい程に会うサニー・ブリスコーという男は、一言で表すなら「顔だけは最高」に尽きる。ぶっちゃけ昔の私だったら是が非でも自分の男にしていたと思うけど、若い頃散々遊び回って色んなトラブルに巻き込まれた結果、ある日突然何もかもに疲れてしまった今の私は全力で避けたい人物だった。
     彼の周りにはいつも女の子が居て、それが知り合いだろうとナンパだろうと拒むこと無くまとわりつかせたままマスター自慢の料理を無心で食べている。初めてその光景を見た時は異性に興味が無いのだろうかと少し離れたカウンター席から横目に眺めていたが、食事を終えた途端隣にいた女の子の腰を抱いてキスをし始めた時は思わず「は?」と声が出てしまった。その声は幸いにしてズルいズルいと騒ぐ子達の声で向こうに届くことなくかき消されたようで、タイプも様々な女の子達に競うようにキスをされるがままに受け入れる彼の姿から視線を外し私は一切関わるまいと決めたのに。…なのに、何度かカウンター席で隣合いマスターを交え話すうち意気投合し、軽口を叩き合う程の仲になるとは思わなかった。なるつもりなんて、無かった。
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    setsuen98

    DONE雪遊びをする🌊🔮。
    2人が何処にいるのかとかはふわっとして読んでください。
    ささみさんからいただいたイラストが可愛くて書いた作品なので、ぜひそのイラストもご覧ください。
     光を受け眩しい程に輝く窓の外の銀世界を眺めながら「雪遊び、したことないんだよね」と独り言のように呟く浮奇の声は迷子の子供のようなどこか頼りない声で、雪の向こうに何かを見るような彼の視線を取り戻そうとその手を引けば、目論見通りこちらを見上げる瞳を覗き込んで得意げに笑ってみせる。
    「じゃあまた私が先生になっちゃおうかな」
    怪訝そうな浮奇にコートとマフラーを手渡してしっかりと防寒対策をさせてから、自分も上着を羽織って観葉植物用の霧吹き片手に彼の手を取り外に飛び出すと、繋いだ手が急な寒暖差にふるりと揺れる。慌てて上着のポケットから愛用の手袋を取り出し差し出すけど、緩く首を横に振ってやんわりと断られてしまった。一部に革を使った手袋だから遠慮させてしまったのだろうかという懸念を先読みしたように「せっかくだから、感触も楽しみたい」と伝えてくれる声音が、先ほどの響きとは異なり僅かに弾んでいるように聞こえることに密かに安堵していた。
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    setsuen98

    DONE🌊🔮
    ふとした時に出る🌊のちょっと口の悪い感じが好きっていうのから書き始めたsuukiだけど、あまり要素を盛り込めなかった自主練供養の作品。
    「いらっしゃいませ! ご注文はお決まりですか?」
     浮奇行きつけのカフェで、二人が初めて会った日。突如店員として勤め始めたスハは、この店のオーナーの親戚だという。
     にこにこと人好きする笑顔と共に投げられた問いに、数度瞬きをした後、少し言葉に詰まりながらコーヒーをオーダーする浮奇の声には、微かに動揺が滲んでいた。
     
     行きつけということもあり何度も顔を合わせお互い気さくに話せるようになる頃には、あの時の動揺は思わぬ出会いに一瞬にして心を奪われていた所為だと浮奇は自覚していた。
     悲しいかな、男運の悪い(趣味が悪いとも言う)浮奇の歴代の彼氏達とは比べものにならない好青年なスハは、見ているだけで心が潤うような、言わば浮奇の日々に彩りを添えるアイドルのような存在になっている。来店した浮奇を見るなり、会えて嬉しいとばかりにぱっと満面の笑みを浮かべる姿に癒しを得るばかりか、時折コーヒーと共にスイーツのおまけをトレーに乗せて「私と浮奇だけの秘密だからね?ないしょ」と囁く優しい声にときめかされる日々。そんな出逢いに感謝する心穏やかな日々に不穏な影が差したのは、スハの一言からだった。
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