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    コンソメ

    @potesaramentai

    仕上げられない平子とひよ里の漫画やら小説やらが増えていく
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    コンソメ

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    ぬ〜べ〜のボゼ回パロ

    ひよ里、ママになる!?の巻「お前、その腹……」

    ここのところ忙しかった護廷の仕事がひと段落したので、さて久しぶりのお出かけがてらひよ里でもからかいに行くかと現世に赴いたのが運の尽き。

    あくまでついでやとという体を装ってひょっこり顔を出した浦原商店で真子が見たのは、お目当てのひよ里の予想だにしない姿であった。真子の声に、ひよ里は過剰なくらいにびくりと肩を波立たせてこちらを向く。

    「な、なんでアンタがこっちにおるんや!」

    自分の姿を見るなりそう言い残して脱兎の如く外へ駆け出したひよ里を追う気力は、真子にはもはや残っていなかった。

    放心状態の真子は、頼むから見間違いであって欲しいと、一瞬だけ見えた久しぶりのひよ里の姿を脳内でプレイバックする。

    解かれた髪、伸びた身長、膨らんだ胸。服装もお馴染みのジャージではなく大人っぽいワンピースに身を包んだひよ里。よほどの顔馴染みでなければもはや誰だかわからないだろう変わりようで、言いたいことは山ほどあった。だがそれら全てはある一点の変化に比べれば取るに足らない。真子にとって何より問題なのはひよ里のその身体の中間あたり。膨れていたのだ、腹が。

    当人の真子に対する反応を鑑みるに、太っただけだとは到底思えなかった。

    ……え?いつから?
    やって前に来た時はいつも通りやったで?オレの知らん間にどこの馬の骨ともわからんヤツがひよ里と??相手は人間か??いやでもひよ里は人間嫌いや、そう簡単に身体を許すとは思えへん。

    アイツの周りにいる男と言えばラブとハッチ、それから……

    「あら平子サン。来てたんスか。ひよ里サン見ませんでしたか?さっきまでここに居たハズなんスけど…」

    遅れて店内から喜助が顔を出す。嫌な予感がした。まさか、よりにもよって。

    そりゃ、ひよ里と喜助は護廷にいた頃から現在に至るまで、なんやかんやで付き合いも長い。ひよ里が現世に残った理由だって、少なからず喜助にあるのではないかと真子は思っていた。ひよ里のことだ。思い出すのも忌々しいあの晩に自分を助けに来て尸魂界を追放された喜助に、思うところがないわけない。本人への態度は悪くともひよ里はひよ里なりに喜助のことを気にかけているし、喜助も最初で最後の副官としてひよ里のことを信頼し、それなりに大事に思っているのは見ていればわかる。それこそ当時他隊であった自分にはわからない絆のようなものがあるのだろう。

    それでも恋愛という括りで言えば喜助には夜一サンがおるし、オレともそこそこ友好的な関係を築いていた。個人的には喜助に感謝してもしきれぬほどの恩を感じているし、胡散臭く信用しきれぬところもあるがそこひっくるめてなんとなく共感してしまうというか、人間的には結構好きな方だ。それなりに腹を明かして仲良くしているつもりだった。だからオレのひよ里への気持ちだって、言わずとも喜助に伝わっている……と思っていたのだが。

    まさかそれをわかった上でか?

    「喜助ェ……嘘やん、なあ……??」

    開口一番に涙目で訴えれば、喜助はポカンとした顔をする。

    「あれ、もしかして見ちゃいましたか?」

    弱ったなあと言いながら頭を掻く喜助に、世界が絶望の色に染まった気がした。

    フラつく身体をなんとか動かして、とりあえず頭を冷やすために一刻も早くこの場を離れなければとアジトへ向かおうとする。ところがショックのあまり足がもつれてビターンと顔面から盛大にすっ転んだ。土間の地面はしっとりと冷たい。

    「……大丈夫ッスか?」
    「うるさい話しかけんな、もうオマエのカオなんて見とうない……」

    転んだままの体勢で虚勢を張れば泣きそうな声が出て、いよいよ己が本気で情けない。
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    コンソメ

    MAIKING一織結婚式に思うところのあるひよ里の話
    オシャレは足下から猛暑を越えて気候も穏やかなものとなり、そろそろ秋へと差し掛かる九月下旬。空は晴れ晴れとして青かった。地上よりも少しだけその上空に近い赤屋根の上では荘厳な鐘の音がぐわんぐわんと鳴り響く。くぐもって煩いその音に、遠巻きに式の様子を見下ろしていたひよ里は顔を顰める。
    皆から祝福の花の雨を浴びせられ、時にはヤジを飛ばされている、この式の主役である一組の男女。純白のドレスに身を包んだ栗髪の女が頬を赤らめ必死に涙を堪えているのを、呆れたように、けれど愛おしそうに口元を緩めて宥めるタキシードの青年はかつてボコボコにしごき倒したオレンジ頭。アイツ、タキシード似合わへんな。

    花嫁はゆるく波打たせたボリュームのある髪を結い上げることなくそのままに、サイドの毛のみを華やかに編み込んだハーフアップにしていた。トレードマークである柔らかい色の綺麗な長い髪が、ドレスの白によく映えている。豊満な胸元を何やら細やかな刺繍が入っているのであろう布地が品よく隠し、けれど布に覆われてなおそのスタイルの良さは一目瞭然であった。女性らしさの象徴である膨らみのすぐ下はキュッと締まって、しかし腰から足下にかけてふんだんなレースがふわりと広がる。それはもう、完璧な曲線であった。体型に恵まれたこの女は白無垢よりも断然ドレスが似合うのだろうなと、そんな誰しもにわかりきっていることを思う。
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