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    uri

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    uri

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    ※お兄ちゃんが煙草吸ってます。

    #脹虎
    inflationTiger

    脹虎(現パロ) 煙草を吸うようになったのはいつだったか。ベランダの手すりに肘を乗せそれを燻らせながらも車が行き交う様子を眺める。頬を撫ぜる風が気持ちいい。堪らず瞼を下ろせばガラガラと窓の開く音が聞こえてきた。
    「また吸ってんのかよ」
     その声に反応して濃い隈に囲まれた目を開いてから振り向く。と、オーバーサイズのシャツと下着を身に着けた悠仁が立っていた。裾から覗く至る所に刻まれた赤い痕と痛々しい歯形が情事を匂わせる。二人は兄弟でありながらソウイウ関係だった。
     悠仁はサンダルを履いて煙草を吸う脹相の隣に並ぶ。
    「そんなに美味しい?」
    「いや、美味いと思ったことはない」
    「何それ。全然説得力ねえー」
    「はは…まぁ、そうなるか…」
    「ちょっと吸わせてよ」
    「悠仁?よせ、やめておけ」
    「いいからいいから」
     脹相の煙草を奪い取るや否や悠仁は銜えた。単なる興味本位でスー、と煙を肺に送り込んでみたが拒絶反応が起こすように激しく噎せる。慌てた脹相がその口から煙草を奪い取り携帯灰皿でもみ消すと上下する背中を撫でた。
    「ゲホッ…、っ、まっず……」
    「だから言っただろう」
    「ハー、こんなんよく吸えんね…」
     うへぇ、と舌を出し、ぐったりした様子で手すりに寄り掛かる悠仁に脹相は眉を下げて困ったように笑ってみせた。
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    uri

    DONE幼馴染でお隣さんで両片思いな脹虎。学パロ。高校3年生×高校1年生。
    途中悠仁の母親が出てきますが香織さんをイメージしていただければと思います。

    脹虎には幸せになってほしい。
    恋風(脹虎/学パロ) 掃除用具が入ったロッカーにホウキをしまっていると釘崎に呼ばれた。ぐるりと振り返れば教室の出入り口に向かって親指を差される。
    「あんたの兄貴迎えにきてるわよ」
     このやり取りも何回目になるのかは分からない。不健康そうな顔がぬっと見えて、兄貴じゃなくて幼馴染だよ、と溜息混じりに返した。
    「毎日毎日凄いわねぇ。カレカノかよ」
    「幼馴染な。昔さ、知らないおっさんに拐われそうになったことがあったんだよ」
    「は?あんたが?」
    「あっはは、意外っしょ?あいつの目の前でそんなことがあったもんだから今も心配してんの。もう大丈夫って言ってんだけどな」
     当時、近所で変質者が出るという情報が出回っていたらしく、家で遊ぶように言われていた。でも近所の駄菓子屋に行くくらいなら大丈夫だろうと幼馴染に無理言って連れ出してもらった。渋々ではあったが。しかし帰り道に事件が起こった。袋いっぱいにお菓子を詰めてはしゃいでいた俺を知らないおっさんが前から抱え込むようにして走り出したのだ。幼馴染は驚いていた。大事な物を奪われたみたいな絶望的な顔だった。持っていた袋を手放すと悠仁!!と叫んで追い掛けてきた。
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