続く日々 土曜の朝は朝食を作る。
それが二人の決まりになって、もう三年が過ぎた。
平日は鯉登さんが、休みには俺が、二人分の朝食を作る。
これは、一緒に暮らし始めて、直ぐに決めた約束のひとつだ。ひとりで居た頃には、ろくに自炊なんてしなかった俺に、休日だけとは言え料理など続くものかと思っていたが、今では、休日どころか平日まで俺が食事を用意する日があるのだから、解らないものだ。約束として始めた食事の支度は、今日という日まで無事に続いてしまった。
いいや、無事、ではなかったか。
鯉登さんと暮らす三年の間には、何度も喧嘩をした。別れ話も一度はでた。あの時は、本当にダメかと思った。
けれども俺は、今日も変わらず朝食を作っている。自分だけのものでなく、鯉登さんと二人で食べるための朝食だ。
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