10-15 side星 私の名前は星。一見普通の美少女だけど、実は私には前世の記憶がある。
前世の私は「万界の癌」と呼ばれる星核を埋め込まれた人造人間で、ナナシビトとして「開拓」を指標に宇宙を旅する星穹列車に乗車し、時にゴミ箱を漁り、時に人を助け、時に星神の一瞥を受け、…そして数多くの星神の祝福を得た魂と肉体を引き換えに、「壊滅」による宇宙の滅亡を阻止した。
結果として私は死んだが、宇宙ステーションで目覚めてから「開拓」を続けていく中で、自分の終着点がどんなものかなんとなく予想がついていたので、その選択をしたことに後悔はなかった。
その後転生した私は、10歳頃から徐々に夢を通して前世の記憶を垣間見るようになった。例えるならドラマの総集編を見ているような感覚だったが、頭のどこかで「これはかつての自分だ」という強い確信があったのでそれを信じることにした。
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