一等星の様なその才能の輝きに憧れ、可能性を見出した。
何度も意見を交わし、試行を重ね、より良い音楽を共に作り上げられると信じた。
悪戦苦闘しながら走り続けた日々を懐かしく思うが、既に海の底へ沈んだ。
時代の波に乗り遅れれば、腐っていくだけだ。
流行と廃りではない。成長を止めた時点で、生きているとは言えないモノに成り下がる。
4人でバンドを組み、曲を作り上げた事へ後悔は一切ない。むしろ、誇らしい位だった。
けれど、頂点なんて立った覚えはない。
光が当たった瞬間、目にも止まらぬ速さで世界が一変した。
最初から間違っていたと思えるほどに、勝手に周りがもてはやし、祭り上げられた。
始まったばかりで予定なんてないに等しかったが、これから作り上げる筈の道は大衆の波に踏み荒らされた。
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