「ああ〜〜瑠璃様ぁ、本当に麗しいぃ~~!」
「あははー。君の瞳が星みたいに美しいからオレの顔が綺麗に見えるのかなー?」
「きゃあぁぁぁ〜〜!」
あれよという間に派手なスーツを誂えられ髪をセットされ、源氏名「瑠璃蛍」が与えられ店頭に立たされたファイは一瞬でその「クラブ」の頂点に上っていた。
正直言って何が何だかファイ本人もよく分かっていないけれど、寄り付く可愛らしい女性を褒め、笑顔を振り撒き、グラスを傾けるだけで嬌声が上がったり泣き出したりされるという事だけは理解した。
「なーんか……独特な国だねー黒様ー?」
と、話を振った先で、黒鋼はむくつけき男達に囲まれている。
「なあ新入りのアニキ……今夜空いてる?」
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