「ハッピーバースデー! オーレィー!」
自分で祝いながら自分で鳴らしたクラッカーの音が、深夜のバーに鳴り響く。すると、おめでとうと祝う声が方々から飛んでくる。
「クースカちんもオレィのついでにおめでとー!」
「ユーが主体だと揺るがず信じられるメンタルが豪胆すぎて怒りも湧かない」
「オレィのが華があるから順当じゃね?」
「へーぇ……最近ジャロップと縁があった子の目星は大体付いてるとして、さて何の情報を売ったら喜ばれるかな」
「待って待って♪ オレィの住所とスリーサイズは売らないでね♪」
「お前たち……」
日付が変わった瞬間から、彼等が今日だけの主役になった。そんな側面から好きに喋らせていたが、MCの内容としてはあまりに物騒で不適合だ。リカオは咎めの声を発して仲が良いのか悪いのか判らない二人の会話に割り込む。