ちょっとしたご褒美 造船所に付くなり、同僚たちが冷蔵庫見ろというからまっすぐ共用の休憩所へと向かった。扉を開くと"すずへ 良かったら食べて"と油性マジックで短く書かれたメッセージが目に入る。数日前に電話で整備の日程を話した気がするが、話した本人が忘れていたことを覚えてくれていたのは嬉しいものだ。
後から顔を覗かせたあしがらさんから聞いたところ、元はハロウィン用に買ってきたものの余りらしい。子供達に一人一個ずつ(もがみは子供じゃないからと遠慮したが押し付けて)渡したのだが、四個セットだった。子供に渡すと喧嘩が始まりそうだからと無難にじゃんけんでちょうかいさんが権利を得、そして自分へと譲渡されたという経緯らしい。
想定どおり子供、とくにのしろが羨ましがっていたが"名前の書いてあるものは勝手に食べないように"と散々言い含められているから一日経った今日も無事だ。念のため一人きりの時を見計らって食べよう。消費期限は明日だ。
食べたらお礼を言うついでに、自分の元へ来た理由も聞いておこうと思う