ノーマルエンドのなり損ない、或いは既に過ぎ去ったバッドエンド
時期は六月、場所は結婚式場。世間で言うところのジューンブライドというやつ。
花嫁の髪は、あの頃の乙女よりも幾分か長いくらいまで、綺麗に伸びていた。
参列者の中に知り合いはいないように見える。てっきり彼女との交流を絶ったのは自分だけだと思っていたのだが、息子もそうだったのか? あぁいや、交流があるが故に招待しなかった、という可能性の方が高いか。仮にも夫となる人間がいる前でいつものノリで親しくするのは、あまり良いものでは無いのかも知れない。あと、それとは別で、死神の少年とも交流が続いていると聞いていたのだが、そちらも呼ばれてはいないようだ。りんねを呼ばない以上、確実に浮いてしまうからだろうけれど。
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