さて、今日も錬金しようかな…と思い棚の材料を入れている引き出しを開ける。あれ、この素材もう使い切っちゃってたんだ…お兄ちゃん最近帰ってこないし自分で採りに行くしかないかぁ…
弓を手に取り、防具だけ確認して家を出る。あの魔物はどこに居たっけな、とメモを見遣りながらルーラストーンを掲げいつも通りの素材狩りに出掛けた…
いつも通り、のハズだったのに…あの素材欲しいな、と気を抜いた瞬間を突かれ魔物が斧を振り下ろしてくる。あ、ダメ…避けられない…!そう思った瞬間ギリギリの所で直撃は避けた、が…左腕があったはずの場所には何も無く肩から大量の血が流れていた。
ドクンドクンと激しく脈打つ激しい痛みと頭から血の気が引くような酷い出血に思わず胃の中身を吐き出しそうになる。このままじゃ死ぬ…と必死に回復呪文を紡ぐ。ぎゅ…と強く手で押えていた左肩の傷が新しく濡れる感覚は消え、とりあえず止まった出血に胸を撫で下ろす。
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