司レオ 『かわいい子』 エンターキーを叩き、レオは凝り固まった身体を解すようにして両腕を天井へと向ける。部屋に置いてある時計に視線を向けると、昼を少し過ぎた時間だった。あぁ、今回は結構かかったんだな〜なんてことを考えながら、レオは数日ぶりに作業場のドアを開く。
ぺち、ぺち。
素足のままで歩く音がこんなにも響くということは、自分以外には誰もいないということなんだろう。そうは思いつつも、もしかしたら……なんて期待してしまうのだから救えない。レオはリビングに続くドアに顔を突っ込んで見渡してみるが、やはり目当ての人物の姿は見えない。
「スオ〜……は、いないよなぁ」
いないとは思いつつも落胆する。諦め悪く、司の名前を呼んでみるが勿論結果は変わらない。
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